7話 ここに… ページ8
硝子「……なら良かった」ニコッ
「はい
あとで夜蛾先生にお礼を言わなくては」
硝子「そんなの別に大丈夫でしょ
食べ終わったら、お風呂入ろう！
パジャマはわたしの貸してあげる！
てかあげる！」
「そっそんな！
あげるだなんて、貸して下さるだけで大丈夫ですよ？」
硝子「いいの！
わたしがあげたいんだから！」
「そっそうですか？ありがとうございます…
あの…えっと…」
硝子「うん分かってる
Aが聞きたいこと
ここはね
都立呪術高等専門学科で呪いを祓う学校
あとは大人になった呪術師たちもここに通ったりしているところ
……Aは見える
人？」
「……はい、見えます」
硝子「そっか
わたしと一緒だね」
「でも学校があるのは知っていましたが、ここだなんて
驚きです
家入さんは何年生なんですか？」
硝子「わたし？今年の4月になったら2年生
歳は16」
「まぁーわたしと一緒ですね
わたしも16です」
硝子「おっ同い年！
ならAがここに通うときは同じクラスだね」
「……」
硝子「どうしたの？」
「わたし……
ここにいてもよろしいのでしょうか
家入さんや夜蛾先生には大変ありがたく思います
でもわたしがここにいても
何もお役には立てません
呪いを祓う事だって出来るかどうかも分かりません
こんなわたしがここにいては
ご迷惑になるだけかと……」
Aは顔を下げたまま、硝子の方を見なかった
すると
硝子「……A
こんななんて言わないで
別に役に立たないとか迷惑かけるとか
そんなの気にしなくていいの
わたしはあなたにここにいてほしいの」
「っ！」
硝子「ここにいてA……
わたし以外にも、もう二人同級生がいるの
クズな男二人
でもその二人はね最強なんだよ
すぐには会えないかもしれないけど
絶対あのクズな男二人と仲良くなれるよ
だからね……
どこにも行く場所がないなら
ここでわたしとクズな男二人と一緒に過ごさない？」ニコッ
ポタッ
床に何かが落ちる音がする
美しい水滴が落ちる音
「グスッ
わたしここにいたいです！
ここにいてもいいですか！」
硝子「いいに決まってるじゃん！
てかここにいてA！」ニコッ
「グスッはい！
ありがとうございます」ニコッ
硝子「っ！やっと笑ったね！」
「ありがとうございます…グスッ」
彼女は少しずつ、変わっていく
この学校に通って……
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作者名：カオリ | 作成日時：2023年10月10日 0時
