2話 傷は深く ページ3
夜蛾side
夜蛾「そうだったな
だが悟は早く来ると思うぞ
それより硝子この娘の手当てをお願いしたい
出来るか?」
私がそう言うと、硝子は椅子から降りてゆっくりとこちらに来た
私が今横抱きにしている少女を見ると険しい顔をした
硝子「酷い傷がたくさんありますね
一体どこから連れてきたんです?
今日の任務で見つけたんですか?」
夜蛾「……呪詛師を始末した後、微かに人の気配を感じてな
気配の感じた地下に行ったらこの娘が倒れていてな」
硝子「地下……
まぁーとりあえず、手当てをしますよ
簡単には消えないと思いますけどね」
夜蛾「そんなに酷い傷なのか」
硝子「いや傷は消えますよ
……心の傷の方は簡単には消えない」
夜蛾「……そうだな
硝子、娘が目を覚ましたら報告してくれ
別の部屋に連れていく」
硝子「分かりましたー」
スタスタ
バタンッ
夜蛾「……心の傷か
娘の意識が戻っても、しばらくは悟たちはいかん方がいいかもな」
しかしなぜ娘はあの地下に閉じ込められていたのか
娘が目を覚ましたら、聞けたら名を聞いてみよう
と思った夜蛾であった
夜蛾side終了
今さっき、夜蛾先生がわたしの部屋に来て、一人の女の子を連れてきて手当てしてくれと言い、部屋を出ていった
部屋を出る前に、わたしのベッドに女の子を寝かせた
最初は横抱きにされてたから分からなかったが、よく見ると体はボロボロだった
普通の子がこんなにもボロボロになるかと思うぐらいだ
そして髪はお尻まであった
前髪もすごく長い
言ってしまえば貞子みたいな感じ
硝子「……この子が落ち着いたら、髪洗ってあげよう」
と口にしながら、この子の手当てをしていった
触れて分かった
すごく体が細い
何も栄養をとっていないからだ
夜蛾先生が地下にいたと言っていたから
この子は地下に閉じ込められていたと考えた
それならこの体がこうなったのか理解できる
でも……
硝子「……辛かったよね、すぐに助けられなくてごめん」
この子が目を覚ましても、すぐには心を開いてくれないだろう
それでもいい
少しずつでいい
硝子「この子の笑った顔が見たいな」
とわたしが言ってから数時間後……
硝子「……そろそろ3時間か
まっそう簡単には目を覚まさないよね」
と言い、ベッドから離れようとした時だった
「ん…」
硝子「ん?」
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作者名:カオリ | 作成日時:2023年10月10日 0時