玖 ページ10
「ねえ、一期、薬研は？」
「…知りません」
「ふぅん、知らないわけないよね。
薬研、あいつ唯一短刀で生き残ってたから大事にしてやってたのに」
「あれのどこが‘‘大事に”していたと言うのです！
気に食わないことがあれば暴力を振るい、刀装も持たせず単騎出陣させ、手入れもせず！」
ダン！と一期一振の頭が柱にぶつけられる。
先ほどまで笑っていた審神者の顔は真顔へと変わっていた。
その目には微かに怒気が見える。
「誰に、その口聞いてんの？」
「ぐっぅ…………っ」
「どうせお前が逃がしたんでしょ。
探して来なよ、じゃないとさっき鍛刀したな〜んにも知らないお前の可愛い可愛い弟、折っちゃうよ？」
「っ……！それだけは、私を折ってください！弟だけは…！」
その言葉を聞いて審神者はペロッと舌を出す。
「無理」
審神者の薄ら笑うその表情が月夜に照らされさらに怪しさが増す。
「だって、お前レアってやつなんでしょ。折るの勿体無いよ」
「私には…弟を選ぶことなど……」
「……あっそ、もういいよ。じゃあお前の弟折ってくるね。
薬研は僕が連れ帰ってくるよ」
一期一振の顔が絶望に染まるのを無視して審神者は鍛刀部屋へと歩き出す。
その口はニタァと弧を描いている。
「他人の泣き顔って、本当超興奮するよね……」
審神者の手が鍛刀部屋の引き戸にかかり、勢い良く開かれた。
ラッキー男士
槍
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空と桔梗(プロフ) - 夕月さん» コメントありがとうございます。時間はかかると思いますが、ふるゆらを終えた後に流星を書きたいと思います。 (2016年5月31日 22時) (
レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - ふるゆらを続けて終えた後に流星がみたいです (2016年5月31日 22時) (レス) id: 0a055286aa (このIDを非表示/違反報告)
空と桔梗(プロフ) - カルーさん» コメントありがとうございます。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
空と桔梗(プロフ) - 柊椿さん» コメントありがとうございます。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
カルー(プロフ) - 毎度、楽しく読ませて頂いております。できれば、続けて頂きたいです。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: 9d53292aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空と桔梗 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/Kuroraand/
作成日時：2016年4月25日 22時
