【刀剣乱舞】ふるべ ゆらゆらと

肆拾貮 ページ45

「え…ご飯がなんかしょぼく…」

「ごめんね。無駄な出費で今月…っていうか来月の給料日まで金欠気味なんだよね」


縛られてる蛍丸くんと私の前には二つのカップラーメン。
しょうがないでしょ、クーリングオフできなかったんだから…。ありゃ私のせいじゃない。


「はい、あーん」

「…もういい加減解いて……何もしないから」

「本当？攻撃しない？」

「しないよ」

「約束する？」

「う……約束する…」

「じゃあ約束、攻撃しないでね」


しゅるしゅると縄を解いていく。
ああ、痕がついちゃってる…手入れ部屋行かないと。

蛍丸くんは手を合わせて「いただきまーす」とカップラーメンを食べはじめ…られない。
お箸の持ち方がわからないらしい。

はは、前任の行動がわかるよね。


「こうして、そうここに指を…」

「人間って難しいことしてたんだね」

「あ、フォークあったな…とりあえず今日はこれで食べればいいよ」


フォークを渡すとラーメンを食べはじめた。
やっぱり麺類はフォークが食べやすいんだろう。私にはちょっとわからないけど。

ふーふーしながら一生懸命ラーメンを食べる蛍丸くんが可愛いくてつい癖で撫でていた。


「…なでなでするの、楽しい？」

「え？…あ、うん。楽しい」


楽しいというより可愛い。

きょとんとしてから蛍丸くんがにこっと笑って、桜が舞った。


「へへへ、…そっか」


…うん、嬉しそうで何よりだ。

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