貮拾漆 ページ28
「はー、疲れたぁ……」
いくつものドア……その中の本丸、私の、本丸のドアを開ける。
「主、おかえり」
「安定さん…」
「主疲れてる?薬研呼んでこようか?」
「あ、いえ…。桜の花びら掃いてるんですか?」
「うん。本当は清光と一緒だったんだけど、汚れるのヤダってあいつどこか行っちゃって。
主と会えたって知ってたら喜んでしたんだろうけど」
そう言って安定さんは散った桜をほうきとちりとりで集める。
「……なんで私を助けてくれたんですか?」
「え?」
「あ、清光さんに斬られそうになったとき」
「……………秘密。そうだ、一期さんが短刀を鍛刀してほしいって言ってたよ」
短刀を鍛刀…。ダジャレ?違うか。
そうだよね、そろそろ鍛刀しないと。まずは短刀に来てもらおう。全員。
「じゃあ鍛刀してきます」
これから鍛刀する子は私の初鍛刀になるんだよね。
…ちょっと楽しみだ。
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「僕は小夜左文字。あなたは……誰かに復讐を望むのか……?」
わあ、すごい子きた。
「よろしく、小夜くん」
「?…誰に復讐すればいい?」
「………ん?」
「復讐すればいいんだよね。分かってるよ」
小夜くんはその大きい目で私を見つめる。
にしても復讐って…。なんか、すごく個性的だよね。
「いや、復讐はしなくても大丈夫。あ!そういえばお兄さんが二人、待ってるよ」
「お兄さん……?そう、僕の兄だなんて可哀想な人達だね」
「は、はは。左文字は左文字派で固まって部屋にいるから近くを通った人に道を聞いて自分で行ってくれないかな?」
「分かった。…邪魔なら刀解してもいいよ」
「ごめんね!私が悪かった!あとで一緒に行こうね!」
「……?」
小夜くんの手を握りながら妖精さんにALL50で頼む。
お嬢様審神者さんから聞いたのと調べたので50は絶対短刀が来ると知ってる。
今回、一期さんが弟にもう一度会いたいとのことなので粟田口派の短刀を鍛刀しなくては。
…短刀を鍛刀って自分で言っててなんか恥ずかしいよね。
「手伝い札です」
妖精さんがシュババッと動き、すぐに刀が出来上がる。
「へえ、刀が出来たの?」
「不思議だよね」
妖精さんから受け取った刀に集中する。
そして桜が舞う。
「秋田藤四郎です。外に出られてわくわくします」
「よろしく秋田くん」
「はい!」
「ねえ、復讐したい人はいるの……?」
「え?復讐…?」
んー、アンバランス、って言うの?
……すごいよね!
ラッキー男士
槍
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空と桔梗(プロフ) - 夕月さん» コメントありがとうございます。時間はかかると思いますが、ふるゆらを終えた後に流星を書きたいと思います。 (2016年5月31日 22時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - ふるゆらを続けて終えた後に流星がみたいです (2016年5月31日 22時) (レス) id: 0a055286aa (このIDを非表示/違反報告)
空と桔梗(プロフ) - カルーさん» コメントありがとうございます。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
空と桔梗(プロフ) - 柊椿さん» コメントありがとうございます。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: faabd855d4 (このIDを非表示/違反報告)
カルー(プロフ) - 毎度、楽しく読ませて頂いております。できれば、続けて頂きたいです。 (2016年5月31日 21時) (レス) id: 9d53292aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空と桔梗 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/Kuroraand/
作成日時:2016年4月25日 22時