【刀剣乱舞】ふるべ ゆらゆらと

拾肆 ページ16

「はーっ…重……」


ゴトンとダンボールを床に置く。


「ん、これも今は置いとこっかな」


私が手に持ってるのは‘‘加州清光”。

加州さんはこの本丸にもいるらしい。

本来初期刀として渡されるはずだった刀はこの本丸にはいない‘‘山姥切国広”か‘‘陸奥守吉行”の予定だったんだけど…いきなり本丸に来てちょっと不安だったから一応ほんのすこ〜しだけ喋ったことがある加州さんをあえて選ばせてもらった。

この加州さんは人の形にはせずに常に持ち歩くことにした。

ブラック本丸だからなぁ……。


「うーん…あ、と、は……」

「手伝いに来たんだが…やる事あるか？」

「薬研。…いやぁ、特には。あ、でもそこの服を干してくれると嬉しい」

「その…悪かったな、兄弟が」


今謝られてるのは門をくぐったそばから水をぶっかけられたことだと思う。
おかげで寝間着にしようと思ってたジャージを着るはめに……。
まあ、持ってきてる服は政府からもらった巫女服と着物以外全部ジャージなんだけど。

特に着物とか着方わかんないよね！


「いいよ別に。ここに来る前に仏の顔も三度までってのを思い出して、あーいうの三回までは許すって決めてるから。
でも同んなじ人が三回したら怒るからね」


私の怒り方怖いらしいよ。
とは言わないでおこう。


「良かった。じゃあ干してくる、大将頑張ってな」

「行ってらっしゃい」


薬研が部屋から出て行って数秒後、また襖が開いた。


「……薬研？」


っあ、違う！

刀が迫ってくる。


「か、」


ヤバい、斬られる…！

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