色好き娘。いっぱい好きだよ。【りょう】 (ページ9)

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55話。 2年前ページ9

てつやside

”てつやー！”

外から聞こえる忘れられない声。俺が通報してから四日が経った
呆れとか、怒りの前に…恐い。

自分の体調だってわかるように悪化している
嫌な汗がダラダラと流れ、頭がクラクラする。指先は震え、気を抜けばするりと物は落ちる

て「…警察の方ですか、？…はい、事件です。…先日からストーカー被害にあってまして、…はい、また……。家の前に居ます、住所は＿」

喉がカラカラに乾いて言葉すら震えている
今も聞こえるドアノブを捻る音

通報が終わる頃にはもう、フラフラだった

＿＿＿

あのあと、ストーカーは逮捕された。
夜にメンバー全員が集まり、これからについて話し合った

虫「大分落ち着いた…？」

て「うん、結構怖かったけどね」

と「ほんと信じらんねーな」

虫「ほんとそれ」

ゆ「まぁ、てつや優しいもんね」

「「「えっ？」」」

ゆ「えっ？」

ゆめまるの天然発言によって場が和み始め、俺はりょうの方へ向いた
小さな子供の命がかかってんだ、ちゃんと話さないと

て「…もしまた、こういう事が起きた時、梨瑛がこの家に居たらってかんがえるとほんとにゾッとする。だから、引越しを少し、考えようかなって」

て「梨瑛とこれからも楽しく過ごしていくには、もう絶対起こさないことが一番だけど、ストーカーに家がバレた以上、梨瑛は当分呼べないし呼びたくない。」

て「預ける家が少なくなっちゃってごめんね。直ぐ家探すから」

頭を下げる。これからもう梨瑛に会えないなんて絶対に嫌だ。梨瑛に会えるのならこの家だって売り払おう

りょうの返事を静かに待っていると、りょうがそっと口を開いた

り「今はそんな事、考えなくて良いよ。…そんな事って言っちゃあれだけど。笑 …今はてつやの命が無事でほんとに良かった。確かに梨瑛をここに連れてくるのは危険だから…うん、あれだけど」

虫「ゆっくり、一緒に、探していこう」

と「別に梨瑛ぐらい、誰の家でも預けられるげ」

優しく笑うメンバーにまた涙腺が緩んだ
……お前ら、最高のメンバーだよ…