228 ページ40
*
襖を開けたのはしんぺいさんだった。水色の旅館浴衣が非常にマッチしており黒い帯を巻いている。私は直ぐに喧嘩を止めて貰おうと思い、頑張って手振りをしながら必死に隣の部屋の状況を伝えた。
sn｢へぇ……全員喧嘩してるの？隣で｣
『は、はい……』
sn｢っふふ、まかせて。すぐに止めて来てあげるから。……Aちゃんは一旦この部屋で待機しといてくれる？｣
『え、あ、分かりました』
しんぺいさんの部屋の玄関に入れて貰うとにこっと優しく笑ってからこの部屋を出て行った。な、なんとかなるのだろうか。なんとかなってほしい。玄関のところへずっと居るのも何なので、勝手に和室の方へ向かった。
ni｢災難だったね、喧嘩に巻き込まれて。大丈夫？｣
『っぅわ！！？？に、兄さん……！』
突然声を掛けられてびくっと肩が跳ねる。和室の襖に張り付いていたのは紫色の旅館浴衣を着ている兄さんだった。腕を組みながら私を見上げて、心配そうに表情を伺う。｢大丈夫です｣と伝えると｢そっか｣と言って座布団に案内された。
ni｢はい、これ麦茶ね｣
『あ、ありがとうございます！』
机に麦茶の淹れられたガラスコップを差し出された。
感謝の言葉を述べて一口だけ飲む。冷たい麦茶が喉を通って涼やかに感じた。
ni｢………ね、｣
『は、はい！』
ni｢アイツら不良達のこと、どう思う？｣
『………へ？』
真っ直ぐに見つめられながら聞かれた質問に変な声が出た。恥ずかしくて口を両手で隠すとくすくす笑われる。大人な顔をして喋りかけてくる兄さんは何か独特の雰囲気だ。
ni｢いや、ちょっと気になっちゃって。……ほら、喧嘩ばっかしてて嫌にならない？アイツら不器用というか、ちょっとズレてる愛情表現とかしてるし｣
『…………』
兄さんに言われてふと考える。
確かに、今振り返れば不良くん達って沢山喧嘩してるよね。愛情表現の仕方も特殊で、強烈で。加減なんて一切ないような強い愛で。
……私は、不良くん達のこと
『………あれ、私全然嫌なんて思ってないな!?』
ni｢………ん？｣
次は、兄さんが変な声を出した。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2765人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むぎちゃ。(プロフ) - オネェ男子を布教したい。さん» オネェ男子を布教したい。さんお久しぶりです〜〜!!💗Vがなんとか終わりました！これからもゆるい夢主ちゃんとげきやば不良d!くんを書かせていただきます！笑色々とありがとうございます😭自分のペースで更新がんばります!!💖 (10月27日 21時) (
レス) id: 67d81856a9 (このIDを非表示/違反報告)
オネェ男子を布教したい。(プロフ) - お体に無理なくご自身のスピードでいきましょう💞気長に見守っています〜😘 (10月27日 17時) (レス) id: 8e5077caca (このIDを非表示/違反報告)
オネェ男子を布教したい。(プロフ) - むぎちゃ。さん！お久しぶりです〜！V完結おめでとうございます〜！なんとしてでも夢主ちゃんを引き入れたい主役さんたちとちょっぴり頭が弱い夢主ちゃんたちが可愛くて仕方がないです😖💞 (10月27日 17時) (レス) @page50 id: 8e5077caca (このIDを非表示/違反報告)
むぎちゃ。(プロフ) - りんさん» りんさんコメントありがとうございます!!なんとかVが終了致しました……！わーっ！！！そのお言葉全てが本当に嬉しいです💖ありがとうございます！更新がんばります！！🥰 (10月27日 14時) (レス) id: 67d81856a9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - コメント失礼します！いつもニヤニヤしながら読ませていだだいてます！今回は番犬不良くん。�拘扱襪�めでとうございます！そして続編報告ありがとうございます！✨更新させるごとに私のココロが浄化される気持ちです！これからもお身体に気おつけて頑張ってください！ (10月27日 7時) (レス) @page50 id: a48362ff22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：むぎちゃ。 | 作成日時：2022年7月31日 13時
