四十九話 ページ4
「実はオレ、ど〜しても今そのパンが欲しいんスよ。
だから、このミニあんパンとそのデラックスメンチカツサンド、交換してくんないッスか？」
「はぁ！？絶対に嫌なんだゾ！！」
「ま〜ま〜、そう言わずに。……はいっ、どーぞ♪」
「ふなっ！？なんだコレ！？前足が勝手に……」
数メートル離れたところにいるので細かいところはイマイチ見えないが…
『あのグリムが、ミニとデラックスを交換……！？』
明日は雪超えて槍降ってくるよ。
「はい、交渉成立。シシシッ！
安心してください、そのミニあんパンもめーっちゃ美味いッスから。
じゃ、ばいばーい！」
「ふ、ふ、ふなぁ〜〜ッ！！」
「うっうっ、今日は(ふがふが)最低の(もぐもぐ)1日なんだゾ(がつがつ)……
パンもろくに喉を通らねえんだゾ……」
「あっという間に3つ平らげておいて、よく言うよ。」
『最後まで残してた私のハンバーグを横取りしたくせに』
「それにしても、さっきはどうしたんだ？そんなに文句を言うんだったら交換してやらなきゃよかっただろう。」
「ちげーんだゾ！なんか、アイツが手を差し出したら俺様も勝手にアイツと同じ動きをしてて……」
「ああ、その気がなくても思わずノッちゃった〜みたいなことたまにあるよね。」
「そういうんじゃなくて……ううん、うまく説明できねぇんだゾ〜！」
そういうこと、本当にあるのか？
「もう、わけわかんねぇからやけ食いしてやる！デュース、オマエのパスタも一口よこすんだゾ！」
「僕は関係ないだろう！やめろ！」
「そういやオレたち、今日の放課後学園長に話があるから来いって言われてるじゃん。」
黙って頷く。
「一体何の話だろ？」
「もしかすると、先日のローズハート寮長の件かもしれないな。」
「こないだの闇堕ちバーサーカー事件か。それかもね」
『「おーばーぶろっと」についてだろうな』
「ハッ……あの日大活躍した俺様にツナ缶のご褒美かもしれねーんだゾ！」
「いや、ツナ缶はねーわ」
結局さっきの人、攻略対象だったけど名前知らないな……
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作者名：サリー | 作成日時：2023年9月7日 7時
