ぶりっ子 35 ページ37
*
善逸 Side
慌てて走っていったAちゃんの姿を見て、少しほっとする。いや怖さは変わらないけど。
「お前の相手は俺だよ」
Aちゃんを追いかけようとした鬼に日輪刀を向け脅すように言う。…ハッタリのようなものだけど。
さっきはAちゃんを逃がしたい一心であんな事言ったけど、鬼殺隊にも入ってない俺が、この四つん這いの鬼を倒せるわけが無い。すぐにそう思った。
まずさ、なんでこんなに舌伸びるの???
じいちゃんから鬼はみんな元人間だって聞いたけどさ、コイツ本当は蛇だったんじゃないの??
どう考えてもおかしいよ、コレ。
じいちゃんが来るまで、耐えられるだろうか。
いや死ぬ。確実に死ぬな、これは。
これが初めての実戦、不安と恐怖が合わさってじいちゃんから借りた日輪刀を持つ手がガタガタと震える。
こちらに向かってくる鬼に、やるしかないと思って刀をぎゅっと握り直した。
鍛錬でやっているように、大きく上に振りかぶる。
____刹那、
ドゴッ、と音がして、鬼が「ギャアッ、」と小さく悲鳴をあげた。
もちろん俺は、何もしていない。
……………………え?
「なっ、なんで戻ったの!?Aちゃん!!!?」
『だって、だってさあ!置いていけるわけないじゃん!!』
なんと、鬼の頬に飛び蹴りした謎の物体はAちゃんだった。
涙目でそう訴える彼女の目には、うっすら涙がにじんでいた。
恐怖、心配、不安。
彼女からはそんなマイナスな音が響いている。
足も手も、ガタガタと震えている彼女は今すぐにでも逃げ出したいはずなのに。
「(置いて、行かないんだ)」
恐怖と不安しかなかった自分から、トクリ、と音が聞こえた。
2604人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
菜々(プロフ) - 桜咲氷雨さん» ありがとうございます、お楽しみにしててください!!! (2020年2月18日 18時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲氷雨 - 成る程、そうだったんですね!獪岳は最推しなので登場する時を心待にしていますね。 (2020年2月18日 18時) (レス) id: e8605f2b60 (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - 桜咲氷雨さん» 獪岳は、もう鬼殺隊に入っている、という設定になってます...!獪岳は私も好きなので、これからの物語に出せたらいいなと思ってます!! (2020年2月18日 17時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
桜咲氷雨 - いつも楽しみにしているんですが一つ御聞きしたい事が、あります。あの獪岳は登場しないんですか? (2020年2月18日 17時) (レス) id: e8605f2b60 (このIDを非表示/違反報告)
菜々(プロフ) - RIKOさん» コメントありがとうございます!一日の楽しみにして下さっているんですか!!?何たる幸せ...。続編なんてパパっと作っちゃいますよ!!お楽しみにッ!! (2020年2月15日 23時) (レス) id: 01635a8a59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:菜々 | 作成日時:2020年1月23日 17時