6話 ページ6
「また会ったなAちゃん」
『隠岐さん』
やってきたのは隠岐さんだった。
『な、なんで隠岐さんが?深月さんとは知り合い?』
いや知り合いよりも近い感じだったな。
「従姉弟やねん」
『えっ』
「あたしの名前知ってる?隠岐深月」
『知らなかった…』
「まあそういう事だから孝二、送ってやってね」
「他人事やなぁ」
「暇なんでしょ。じゃよろしく」
深月さんはそう言うと医務室の扉をピシャっと閉めた。
「いやでも折れとるなんて災難やなあ」
『まあでも骨折してないトリオン体作るんでどうにかなりますよ』
「あ、Aちゃんてエンジニアなん?」
『言ってませんでしたっけ?エンジニアですよ。大学卒業したら鬼怒田さんに開発室来いって言われてるんですよ』
「えっ大学?」
隠岐さんが驚いたような声をあげた。
『はい。そうですけど?』
「…てっきりおんなじ高校生やとばっかり」
『隠岐さんは高校生なんですか』
「そうですーってAちゃん敬語はやめてーな。Aちゃんのほうが年上やし」
『じゃあ、隠岐くんも敬語やめてね?』
「なんでですか?」
『えーなんか堅苦しいし。ね?』
それに年下に敬語使われるっていうのはなんか性に合わない。
「…せやったらせめてAさん、にしますわ」
『え〜別に良いのに』
「俺がそうしたいんです」
変なところ頑固だな隠岐くん。
『分かった。…隠岐くんは高校生なんだ。私は大学の1回生だよ』
「俺は高二やからAさんが二つ上やねんな」
『隠岐くん高二なの?なんか…大人っぽいね』
「Aさんは子供っぽいな」
『えー私こう見えてもれっきとした大学生だよ?』
来年にはお酒が飲めちゃうんだよ?
「そういうとこが年下っぽいわ」
『酷い』
「あと背え低いとこやな〜?」
『なっ…!身長のこと気にしてたのに!隠岐くんのバカ!』
同年代の子より小さな身長はかなりのコンプレックスだ。
『それに、』
「それに?」
『隠岐くんスタイルいいから、余計に私が小さく見えちゃうし?』
「…Aさんてそういう事サラッと言うやんな〜」
『?』
「天然タラシちゃん」
『天然タラシは隠岐くんですよ』
「ええ〜Aさんやって」
『いやいや隠岐くんだよ』
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なや - 隠岐君!男前で、かっこいいです。 (2022年3月31日 12時) (レス) @page8 id: 8cf2aca477 (このIDを非表示/違反報告)
なや - 隠岐君!男前で、かっこいいです。 (2022年3月31日 12時) (レス) @page8 id: 8cf2aca477 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:結心 | 作成日時:2019年7月6日 6時