CODE.31_まな板の鯉 ページ33
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『ほんと、硬いな』
敵との距離を測りながらタイミングを伺う。
今までの戦闘記録らで分かっていたことだが、生半可に弾を消費するだけではこの新型には意味がない。理想は高火力__できれば攻撃力が高めのアタッカートリガーで削ることだが、それは彼女の土俵ではないし直接的な攻撃を加える距離では捕らえられるのが落ちだ。
しかし彼女には他より優れたトリオン量とセンスがある。狙撃が主な戦闘スタイルではあるものの、それらを活かした弾トリガーの扱いは師である出水からもお墨付きであった。
『バイパー』
分割したキューブが四方八方に散る。
火力こそアステロイドには劣るが、サイドエフェクトの力もありそこそこの精度でリアルタイムに弾道を変えて走っていく攻撃を防ぐのは中々に難しい。
通常のトリオン体との戦闘であれば十分に要となる攻撃だった。
が、このラービット相手となるとそうではない。このバイパーは"沈める"ためのものではなく主に"予備動作"だ。
相手の目を欺き、決定的な一打を加えるための。
『全然効いてないってか避けるまでもないっていうー……けど、見えたよ。"距離感"は』
断続的にバラけて降りかかる攻撃の隙間。
___この距離からなら
射程はサイドエフェクトで補助、弾速まあまあ、威力____残り最大。
広げた掌上に大雑把に割られたキューブが浮んだ。
『アステロイド』
放たれた光線が一直線に飛んでゆく。
先程のバイパーとは違い威力重視の攻撃に対しラービットは自身の目の前に腕を構えそれを凌ぐ。
集中的にさらにもう一度放たれたそれはがりがりと徐々に傷をつけていく。
それから、もう一歩。
タンと煙の中から舞い降りた彼女が構えた銃器は、頭の一点を捉えていた。
そのトリオン故に他の狙撃手より凶悪な威力を放つアイビスの光線がラービットの頭を突き抜け、ついにその装甲が砕けた。
側から見れば完全に仕留めたその攻撃。だがラービットはやはり一味違ったらしい。
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『うわ、まだ生きてんの！ちょっとズレたかー、』
______なんちゃって
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鈍いながらもAに向かって腕を伸ばしたラービットのその側面。
ニヤリと笑った彼女の、バイパーの残り弾が被弾する。いわゆる1人時間差によって放たれたそれが、核を完全に打ち抜いた。
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26(ふむ)(プロフ) - 佐藤花子さん» こんにちは、初めまして。コメントありがとうございます。丁寧な感想とても嬉しく思います。これからもしばらくはちまちまとした更新になるかと思いますがどうぞ宜しくお願い致します。 (2021年8月18日 17時) (
レス) id: 5b80796d59 (このIDを非表示/違反報告)
佐藤花子(プロフ) - この作品で初めて貴方を知りました。単刀直入に言いますがとても素晴らしい作品です。言葉選びと丁寧な文章が一つ一つの言葉の魅力を引き出していて素敵です。これからも更新期待しております。ご自身のペースで更新していただければ幸いです。長文失礼しました (2021年8月17日 20時) (レス) id: 2f5d72a0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：26(ふむ) | 作成日時：2021年5月21日 19時
