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52本 ページ4

no side


「やっぱり蒼井がやべーな」
「ああ。あいつだけ試合終わっちまう」


一様に他校が危険視するのは蒼井のサーブ。すでに蒼井が取ったサービスエースは二桁にのぼる。ことサーブに関して今日は絶好調だった。


「カバー!」
「すまん!」
『ドンマイドンマイ!』


何球目かでやっとダイレクトで返し、ラリーを続けて烏野が1ポイント落とす。ここでやっと蒼井のサービスターンが終了。

相手選手は胸を撫で下ろした。と、同時に呟く。



「弱くはねえけど…蒼井のサーブ以外は普通なんだよな」
「他の奴の時に点を落とさないようにするか、サーブをなんとか返せればって感じだよな」
「ああ」
「音駒が苦戦した1年生ってどれだよ」
「さぁ」


その時バン!と体育館のドアが空いてファンキーなお姉さんが入ってきた。その姿に蒼井は既視感を覚えた。

「姐さんっ」
『あれノヤのお姉さんだった?』
「いえ、龍のです!」
『「似てる…」』


ファンキーなお姉さんは田中の姉だった。よく見れば目元や笑っている顔が田中とそっくりである。

そして連れ立って一緒にやってきたのは補習で遅れてきた日向と影山だった。


ここまで走ってきたのか汗だくだくでウォーミングアップはオッケーと言わんばかりだ。次の試合ではすぐにでも日向と影山の変人速攻が火を吹くことだろう。


『補習おつかれ〜。間に合って良かったな』
「「ウスッ!」」



勝って優雅にコートから出てきた蒼井が2人に声をかける。試合が終わったことでスイッチが切れた蒼井は元のいい先輩だ。


「もうちょっと早く来たら理人の魔王サーブ拝めたのにな」
「お前ら遅いぞ!さっきの理人さんのサーブもかっこよかったんだからな!」
「見たかったっす!」
「クソ…」
『え、いやそんな悔しがらなくても…』


蒼井を囲んでワイワイ騒ぎ始める烏野メンバー。先程の試合も蒼井のサービスエースで終わらせたので興奮も覚めやらぬというやつである。


「うるさいし邪魔だぞお前ら!とりあえず理人は散れ」
『ちょ、大地それどう言うこと!?』
「お前が散ればあいつらも散るだろ」
『んな無茶な!?』


コート付近でわちゃわちゃしていた烏野メンバーを主将の澤村が散らす。何やらちょっと無理難題も入っているが。

澤村の一喝でメンバーは蜘蛛の子を散らすように四方に逃げていった。ちなみに蒼井はちょっと涙目である。

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シオン(プロフ) - こんにちは、楽しく読ませてもらっています。とても面白く、続きが気になる作品なので、出来れば続きを書いて欲しいです。楽しみにしています (2月16日 15時) (レス) id: b41969ae61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:でこぽん | 作成日時:2023年4月15日 0時

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