【HQ】天才サーバー2 (ページ18)

今日:9 hit、昨日:9 hit、合計:18,312 hit

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月島は宣言通りにドシャッとを決められるタイミングでいい形のブロックを見せたが、それに臆したのか光くんはフェイントをうって向こうのポイントに。

俺とノヤでカバーに入るが一歩届かず、得点は15-8で変わらず梟谷のリード。

…ち。切り返しが上手いな。勉強できないバレー馬鹿だ。影山タイプだな。

「なんかいま理人に失礼なこと言われた気がする！」
「言ってはないけど思ってたんじゃないですか？」
「赤葦はどっちの味方なの！？」
「９割は理人ですね」
「ひどい！俺先輩なのに！？」
「「「「木兎うるせぇぞ！」」」」
「チームメイトが全員敵！」

何やらネットの向こうで漫才が繰り広げられている。仲良しだな。

『月島のブロックにビビってフェイントにしたな。月島ナイスブロック。五本指のエースが1年のブロックでビビったぞ』
「次は止めます」
「逃げんたんじゃねえ。避けたんだ！！上手に！避けたの！！！理人も取れなかっただろッ」
「油断…」
「ハイハイ、スミマセンでしたァー！」

まんまと挑発に乗せられて扱いやすい光くんでストレス発散をしつつ、少し離れたコートのベンチにいるてっちゃんにニヤっと笑顔を送っておく。てっちゃんも悪い顔してた。弧爪はドンびいてたけど。

「ポイントは取られてしまったけどまだ巻き返せるぞ！月島ナイスブロック！次一本締めていこう！」
「「しゃぁぁ！」」

とって取られてを繰り返して結局ゲームは梟谷の勝利で終わった。この暑い中烏野は何度目かの坂道ダッシュを始める。

日向と影山の速攻も、旭のジャンサーも、ノヤのセットアップも月島のブロックも。みんな何かしら変化を求めて変わっている。

俺の今日の梟谷戦でのサービスエースの数は2ゲームで合計15本。数だけで言えば悪い数字じゃないし、こんな悩みをしてるとスガとか月島には嫌味だとか言われてしまうかもしれない。

---でも、このままじゃダメなんだ。みんなの進化に俺も乗っていかないと。じゃないとどんどん置いていかれてしまう。

「理人さん、大丈夫すか」
『あ、影山。わりぃ。大丈夫。ちょっと考え事』
「？大丈夫ならよかったっす」

影山はセッターだけあって周りをよく見てる。よく変化に気づく。

俺はあの変人コンビが怖いのかもしれないな。誰を置き去りにしても自分は進化し続けるあの1年生コンビが。

ちょっと弱気になった思考を振り払うようにラストスパートを全速力で駆け抜けた。