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同時刻。
生徒会室では、綺羅莉と定楽乃が顔を合わせていた。
綺羅莉「こうやって落ち着いて話すのは、いつぶりかしら…定楽乃、ユミも息災でいて?」
ユミ「元気元気!それだけが取り柄だもん!」
定楽乃の後ろで控えていたユミが明るく返事する。
定楽乃「こんなことでもなければ、一族が揃うことはない」
綺羅莉「そうね…。
でも、零まで連れてくるとは少し予想外だったわ」
定楽乃「ここはお前のテリトリーだ。保険もかけずに乗り込む馬鹿がいるか」
綺羅莉「でもあれが保険になるかしら?×喰家は百喰一族を追放された、いわば外れ者…
恨みこそあれ、あなたのために動くとは思えないけど」
定楽乃「お前のためにもな」
定楽乃がピシャリと返し、部屋には緊迫した空気が流れていく。
ユミ「そこがいいんだって!ねぇー?」
定楽乃「下手な小細工は墓穴を掘る。
私はただ、どう動くかわからないジョーカーを投入した…それだけだ」
綺羅莉「フフッ…面白い…
私はそんなあなたが好きよ、定楽乃」
定楽乃「…いずれにせよ、もう事は動き出した。もう止められん。
お前の望み通り、この学園は荒れるぞ」
定楽乃の言った通り、選挙戦を巡って学園は荒れていた。
百合子「なぜ…?私は…完璧にやったはず……ッ…」
生徒会役員であり、伝統文化研究会の会長でもある西洞院百合子が倒れる。
ギャンブルで賭けた票がバラバラと散っていく。
三欲「あらあら、このくらいで気をやるなんて」
三理「脆すぎて話にならない」
そんな百合子を、陰喰三欲、陽喰三理は見下ろしていた。
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芽亜里「フン…馬鹿らしい…」
芽亜里はそう吐き捨てて廊下を歩き出すが、角でとある人物とぶつかった。
芽亜里「ッ!?」
リリカ「早乙女芽亜里だな。探したぞ…
お前に話がある」
ぶつかった相手…もとい、桃喰リリカはそう言った。
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作者名:サナ | 作成日時:2022年1月8日 22時