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茨「凜さん、頼まれてた分まで終わりましたよ!」
次に私達が声を発したのは、茨が部屋にやってきた時だった。
ずっと無言で気不味い雰囲気になっていたから助かった…
ちなみに茨は先程までスカムコインでの買収を図っていたらしい。
…人当たりがいいし、彼にはぴったりな役回りだな。顔色も悪くないし、正直に話せることしか伝えていないのだろう。
凜「あぁ、お疲れ様。上手くいったようだね」
茨「皆食いついてくれましたよ!今日だけで30票は買い取れましたし」
凜「うん、上々だね」
茨「流石、凜さんの計画通りっすね!」
あぁ、なんだか分かるなぁ…凜と茨は、やっぱり長年の付き合いがあるんだと。
それに、茨からはブンブンと揺れる尻尾が見えるな。なんだかクスッとしてしまう。
でも______________
『………いいなぁ』
懐かしいな…そして、羨ましい。
少し、嫉妬してしまうくらいに。
茨「?A、今何か言ったか?」
…あ、聞こえてたのか…
でも私は何事も無かったかのように微笑んで
『なんでもないよ』
そう返した。
……凜が少し顔を歪めた事には気付かなかった。
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作者名:サナ | 作成日時:2022年1月8日 22時