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とある一室にて。
Aと同様、学園に転入した一族の者達が集まっていた。
ユミ「それにしても広い学校だね!すんごい豪華だし!」
等々喰ユミが明るい声で切り出した。
茨「こんな学園をつけて本家当主の座までくれるっつうんだから綺羅莉も太っ腹だよな」
ユミ「あははっ!茨は代表じゃないじゃん」
茨「うっせぇよ、ユミ!だから応援すんだよ。ねぇ?凜さん」
凜「ははっ、頑張るよ」
ユミ、茨、そしてAの3人は同伴者であり、家の代表ではない。
恵利美「それで…票を最も多く稼いだ1人が生徒会長になるのよね?」
ぬいぐるみを抱きながら蟲喰恵利美が言った。
凜「うん、これは選挙だからね」
恵利美「そして、たった1人だけが当主になる…ふふっ」
三欲「恵利美さん。だからといって一族を先に潰そうというのはオススメしませんよ?」
三理「返り討ちのリスクはもちろん、勝っても他の一族から標的にされるだけ」
実の姉妹である陰喰三欲と陽喰三理が指摘する。
茨「やるならむしろ数が減ってからだろ!つか、黙ってやれよ」
恵利美「わ、分かってるし!別に私は________」
定楽乃「ふざけるな」
定楽乃の声で辺りが静まり返る。
定楽乃「協定を忘れたわけではあるまい。争うのは綺羅莉を倒してからだ。
足を引っ張る者は私が殺す!
…よく覚えておけ」
怒気を孕んだ声で告げられ、部屋は緊迫した空気に包まれる。
凜「大丈夫、皆分かってるよ」
ミラ「…で、例の蛇喰家の娘、蛇喰 夢子をどう扱う?」
静けさに包まれた中、骨喰ミラスラーヴァが切り出す。
茨「蛇喰?そんな家あったか?」
定楽乃「零」
定楽乃が×喰零に説明を促す。
零「…蛇喰 夢子。
一族の末端に位置する蛇喰家の次女です。
百花王学園に転入早々、生徒会役員を5人打ち倒した…私が集めた情報はそんなところです」
ユミ「へ〜っ!すごいね!」
三欲「末端とはいえ、一族に入っているだけのことはある…ねぇ、零」
零「はい、三欲様」
ミラ「彼女も協定に加えるのか?」
定楽乃は間を置いた後、
定楽乃「その必要はあるまい。各々接触するなり放っておくなり好きにしろ」
そう言った後、定楽乃は何かを思い出したかのように凜の方を向いた。
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作者名:サナ | 作成日時:2022年1月8日 22時