やっと見つけた ページ20
ここに来て３年が経った。
就職した仕事先は特に不満もなく、なんとも言えない生活を一人で過ごしている
最初は慣れないことばかりで、友人の元に何度も駆け寄ったりどうしよう、と悩んだ日々もあった
3年の内には色々あって色んな人と身体の関係を持ったりしたときもあった
昔の、まだリリーさんと会う前の自分に戻っていた
そんな自分が嫌になって関係を持った男性の連絡先を全て消しまた一から人生をやり直した
で、今がここ。
「もう〜Aちゃん飲みすぎやって」
「私お酒強いんで、大丈夫ですって」
「そう言っていつも潰れて帰るやん、よりよって今日はお友達おらんし、、」
「もう1時やで？明日仕事あるんちゃうの？」
「ないです、だから今日はいっぱい飲んで帰るの〜。」
「あかん、あかん、ほらもう帰り。
おっ、ちゃんと歩けるやん」
「5杯しか飲んでないもん」
「止めてよかったわ、じゃあAちゃん、ほなな
また来週来ぃや〜。」
「ん〜」
名残惜しさがありながらも帰ることにした
そうだ、家で飲めばいっか。
みんな幸せそうだなぁ
彼女と腕を組みながら歩くカップルも入れば、まるで漫画の世界から来たような酔っ払いもいる。
あれ絶対パパ活だ
女の人が着てるあの服超〜っ高いやつだ
稼げてるんだろうなぁ。
あのカップル、今からどこ行くんだろ
「あっ、」
···まぁ、いいや。
あの人、リリーさんに似てる
誰にも興味がなさそうなあの目、分厚い唇、と色白な肌
「あー、でもあんま、だ。」
近くで見たら似てるようで似てなかった
よく間違われないかな。
お酒、煙草、お風呂··
「はやく帰んなきゃ」
無我夢中で歩いてると
「リリー、さん？」
すれ違った人がリリーさんに見えた
私は驚いて振り返ると、全くの別人だった
あーあ、私全然忘れられてない。
寧ろ未練タラタラだ
しんどいなぁ、いつになったら私は···。
「A··さん？」
えっ、いま、わたし、名前呼ばれた？
Aさん、って。
嘘でしょ
え？
そっと振り返ると
「Aさん、」
やっと見つけた、そう思われてるかのように名前を呼ばれた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 148人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(^^) | 作成日時：2024年1月11日 2時
