Forever more (ページ16)

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Aさんが住んでいる3階建てのアパートに着くと

ベランダで映画のワンシーンか、と思うぐらい綺麗で口から煙を吐く彼女がいた

こんな昼間から大声で名前を呼ぶのは近所迷惑だと思い携帯をポッケから取りだし電話をかけた

下を見て、と誘導するとAさんは驚いた顔をして俺を見つけたのだ。

扉が開かれた瞬間、Aさんが見え思わず飛びつくように抱きしめた

「髙比良、」

「会いたかった」

「どうしたの、いきなり、」

「手紙、読んだ」

「嫌ですよ、俺。｣

｢もう会わないなんて」

「俺に謝りたいことってなんなんですか？」

Aさんの薄い肩を持って目をじっと見つめる

向こうはなぜか、目をうるうるさせてこちらを見つめる。

「髙比良、わたしね」

「彼氏がいるの。」

その瞬間、時が止まった気がした。

彼氏？

嘘だ、だってAさんは俺しか頼る人がいないのに

俺のことが好きなの、に

好きって、言ってくれた、し

「見取り図のリリーさんと付き合ってるの」

なんだそれ

意味が分からない

「今まで騙してごめんなさい」

Aさんは深く頭を下げた

ねぇAさん

「嘘って、言ってください」

俺は涙が溢れ止めようとしても溢れてくる涙は止まらずこぼれ落ちて行く

「Aさん、おれは、まだ」

「もう終わりにしたいの」

「これ以上髙比良を傷つけたくない」

「髙比良にはもっといい人がいるよ」

「やめて」

腕を掴もうと手を伸ばすとAさんは俺の腕を強く掴み

「もう帰って」

そこで俺は目が覚めた気がした

Aさんの真剣な眼差し、少し涙目になりながら言うAさんを見て心が軽くなった

あんなに好きだったのは俺だけだったのだと、1番だって言ってくれたのは嘘だったってことを知り

心にモヤモヤとしたものが出来上がる

Aさんの顔を見たら想ったら段々と心の中に広がっていく

「髙比良、」

「大っ嫌いだ」

俺はこれ以上Aさんを悪く思いたくなくて、彼女の家を飛び出た。