第19話 ページ22
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繋心さん、武田先生、潔子さんの許可を取って訪れたのは、槻木澤高校第一体育館。
音駒が今日、練習試合をしている高校だ。
烏野の方はとりあえずその時点で必要な準備は終わらせておいたし、この後の練習はほぼレシーブ練がメインだから、ワイピングも選手たち自身で行う。ちゃんと昼前には戻りますと伝えておいてあるから、準備は万全だ。
繋心さんに必要だと言われたものは、スタメンメンバー、誰が何点取ったか、攻撃パターン、総試合時間、あと出来たらタイムアウトの時監督から選手に何を伝えているか。
そこまで詳しく聞き取れるかは分からないが、幸いなことに槻木澤高校は緩い校風が特徴で、他校生が出入りしていても特に何も言われないそう。一応烏野ジャージは脱いできたし、思う存分偵察ができる。
***
上手く潜り込んで、繋心さんに頼まれた情報はきっちり書き留めることができたと思う。
打っても打っても拾われるあのしなやかなレシーブは、相手からしたら相当精神にくるなあ、なんて素人ながら思った。全員がリベロ並にレシーブ力があって、うちとは正反対、そう繋心さんが言っていたのもうなずける。
『…しかもセッターの金髪、めっちゃ相手観察してたな…』
「それは君もじゃない？」
メモ帳を凝視していたら、不意に後ろから声を掛けられる。
振り向くとそこには、赤いユニフォームの1番を身につけた…なんていうか…すごい頭の人。
「君、どこの学校の子？」
『えっ…いや、槻木澤ですけど…』
「その割には槻木澤が点を決めても大して喜ぶ様子もない。逆にこっちが点取ったり、ボール上げたりすると食い入るように見つめてきちゃって。おまけにそこびっしり書かれたメモ。
…向こうの応援してるようには、見えなかったなあ？」
うわ、この人タチ悪い。
どこの学校かはわかっていなくとも、私が音駒の偵察に来ているということは見抜いているらしい。別にばれて特段困るわけではないけれど、なんか嫌な感じ。
「で、どこの学校？」
『……烏野』
「！…へえ、烏野ねえ」
じろじろと全身を舐めまわすように見てくる視線にぞっとする。…いや変態的な視線ではないけど。
なにかを、いろいろと見透かされている気分。
「ま、いいや。3日後、楽しみにしてるぜ」
『…こちらこそ。よろしくお願いします』
不敵な笑みを浮かべ、頭をぽんと撫でると仲間の元へ戻っていった。
…あのでかい黒猫には要注意だな。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
