検索窓
今日:12 hit、昨日:37 hit、合計:79,727 hit

第13話 ページ16

.



これで町内会チームはあと一人。
繋心さんはセッターだったらしいけど、あいにく外から見なければいけないから影山かスガさんのどちらかが入ることになった。

足を踏み出したのは、スガさんだった。



「…俺に譲るとかじゃないですよね」



影山がスガさんの背中に投げかける。
青城戦のときの、圧倒的な影山の実力を目にしてしまえば、私だったら簡単にその席から引いてしまうだろう。…だけど、スガさんは、違う。



「…スパイクがブロックに捕まる瞬間考えると、今も恐い。

けど、

もう一回俺にトス上げさせてくれ、旭」

「!」



スガさんは3年生だからとか、もちろんそういうのもあるんだろうけど、それだけじゃなく、強い。



「…だから俺はこっちに入るよ、影山」

「!」

「負けないからな」

「俺もっス」



スガさんは爽やかに笑って、西谷に声を掛けていた。
いいなあ、こういう感じ。女子にはどう足掻いてもできっこない、俗にいう“男の友情”ってやつ。
先輩後輩の関係だから、また少し違うかもだけど。とにかくうらやましい。



役者が揃ったところで、試合がスタートした。



***



スガさんの速攻が決まり、大地さんが嬉しそうにしている。
繋心さんは、日向君と影山の速攻を見て呆然としている。

私も後ろの先生と一緒になって、すごいでしょってどや顔をする。

でもね、繋心さん。まだだよ。
これが烏野の全てじゃない。



「……思うよ」

「??」



日向君たちが騒がしくて声までは聞き取れなかったけど、旭さんが西谷に何か話しかけていた。
そしたら、西谷の顔がスッキリしたように見えたから。

だからきっと、もう大丈夫。




日向のサーブがネットインで、カバーされたボールが旭さんの方へ飛んでいく。
緊張した面持ちで助走を始める旭さん。

目の前にはブロック3枚。

重そうな一本は、その壁に阻まれた。




…が。


滑り込んできた西谷がブロックフォローに回る。

まだ、生きてる。



『…ナイスフォロー』




西谷は立ち上がって、言った。








「だからもう一回、トスを呼んでくれ!!エース!!!」

第14話→←第12話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
168人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 原作沿い
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます!なんて嬉しいお言葉…!!のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます!! (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふぃる | 作成日時:2020年2月7日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。