サイレントセンセーション【ＨＱ】

第16話 ページ19

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そして約1週間後。

5月2日、GW前日。

今日は学校で通常練習をしてから、夜になったら合宿所に向かってそのまま合宿練習に入る。



「4日後には音駒と練習試合。
終わればすぐにIH予選がやってくる、時間がない。
でもお前らは穴だらけだ。

勝つためにやることは一つ。

練習、練習、練習。

ゲロ吐いてもボールは拾え」


「「「オス!!!」」」



因縁の音駒との練習試合、いよいよ近付いてきたIH本番に向けてみんな気合が入っているみたいだ。かくいう私だってやる気満々で昨日からやることリストを作ってみたり、いつもより1時間も早く目が覚めたりしてたけど。

…誰かがゲロ吐いた時の対処も、今回は万全だ。


学校練では、フライングレシーブ、ブロックフォロー、レシーブ連続5本。私達の一番の穴であるレシーブ練を主にやった。その間、潔子さんはボール出しをするため繋心さんに付きっ切りだったので、私は合宿への準備を進めていった。



そして20時前に練習を切り上げ、学校附属の合宿用施設に到着。



「うおおおおっ」



日向君は初めての合宿に心躍らせているようだ。私も、潔子さんと一緒に寝る前にガールズトークしちゃったり…をメインに楽しみにしている。



「おい月島てめえ半径500m以内に潔子さんがいる空間はむさ苦しくねえんだよ!!」



うんうん。いつもならスルーする田中と西谷のあほみたいな発言も、今ならすごくよく分かるよ。潔子さんがいてくれるだけできつくて大変な合宿も一気に華やぐよね。楽しめちゃうよね。



「清水は家近いから用事終わったらすぐ帰っちゃうよ。いつもそうじゃん」

『えっ』



…スガさんの辛辣なお言葉のせいで、私のやる気は一気に降下した。

いや別に、遊びに来てるわけじゃないしもちろんちゃんとやるんだけどさあ！モチベーションってものがあるじゃん！モチベーション大事！



「なんでAサンまで灰になってるんデスカ」

『…うるせえ月島…』

「！？」



いやもう辛すぎてどうしようって感じ。ほんとどうする？3日間も耐えられないよ？



「？…Aちゃん、夕飯の準備行こっか」



そんな女神の声が聞こえてきて振り返ると、そこにはいつも下ろしている髪を高い位置でくくった潔子さん(ポニーテールver.)がいらした。

はいっ!!と元気よく着いて行ったら後ろから「何アレ、犬？」なんて嘲笑うような声が聞こえてきたけど、Aちゃんは気にしません。だって潔子さんが今日も美しいから!!

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