第15話 ページ18
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「…エースが居るって分かってから、興味とか憧れとかの他に―――
嫉妬してたろ」
それを言われた日向君の顔には、まさに図星と書いてあった。
私と日向君は全然違うけど、ちょっと分かる。
比較対象にしてしまうのもおこがましいけれど、私も潔子さんと比べてしまうことがあるから。潔子さんは美人で何でもできる凄い人だ。青城の人達にも、「美人なマネがいる」ってちょっと騒がれてた。
それに比べて、私はどうだ。
勉強は出来なくはないけど、決して地頭が良いわけではなく、必死に勉強した結果だ。運動においては体育の授業についていくのが精いっぱいだし、顔もはっきり言ってブス。
元から全て持っている人のこと、いいなあ、って思うの、当然なんだ。
“もともとでっかいお前になんか、絶対わかんないんだよ!!!”
日向君のその言葉が耳にこびりついて離れない。
日向君と影山の喧嘩を勝手に自分に重ねて、私はまた上の空になっていた。あんまり覚えていないけど、そのとき私は無意識に潔子さんの方を見つめていた。
「お前は、大黒柱のエースになんかなれない」
「ちょ…ちょい…」「おい」『何言って…』
「でも！
俺が居ればお前は最強だ‼」
最初はなんて酷なことを言うんだと、思わず殴り掛かりに行きそうになったけど、結局すぐに影山のペースになった。そのまま試合は再開し、日向君は影山が言ったとおり、ブロックを「躱した」。
そこから日向君の調子も戻ってきて、結局試合は町内会チームが2セット取って勝利した。
***
「烏野ファイッ」
「「「オース!!!」」」
あと一週間ほどで、合宿が、そして音駒がやって来る。
これからも気合を入れて頑張らなくちゃ。
…と、その前に。
『…影山、お疲れ』
「うす」
『日向君の立て直し、すごかったね。さすが天才セッター』
そう言うと素直にあざす、と返す純粋ボーイ影山。バレーに真っすぐで、自分の気持ちに正直なことはすごくいいことだと思う。日向君を復活させたのもさすがの手腕だ。だけど…。
『言い方には気を付けようね？』
「？？」
『日向君に。思ったことをそのまま言えば全部伝わるって思ったら大間違いってこと』
「はあ…？」
『分かった？』
にこ、と笑顔を張り付けてそういうと、影山は引きつった表情で、…うす、と小声で呟いた。
後日「Aを怒らせたらやばい」みたいな噂が出来ていたので、それを作った坊主はシメといた。
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ふぃる(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！なんて嬉しいお言葉…！！のんびり更新ですが、これからもどうかよろしくお願いいたします(^^) (2020年3月12日 13時) (
レス) id: 57a4697fd9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね - めっちゃ好きです。このお話読んでふぃるさんのファンになりました笑これからも応援してます！！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 012863f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふぃる | 作成日時：2020年2月7日 11時
