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第9話 ページ10

「…間違ってる……」

『っちょ、吉良く、』


「こんなの間違ってる!!Aちゃんもそう思うだろ!?
俺が……俺が終わりなわけないだろ!!日本サッカー界の宝が…!!!」




掴まれた肩からミシミシという音が聞こえるレベルで強くつかまれる。
痛みに耐えきれず持っていた救急セットも床に落としてしまった。

次々と言い訳をまくし立てる吉良君。やめてと言っても離してくれる気がなさそう。




『いた…離して、』

「俺のマネージャーならあいつになんか言ってくれよ!!
たかがマネージャーでもそんぐらい俺のためにできるだろ!?」





たかがマネージャー。

その言葉を聞いた途端、プツンと自分の中で何かが切れた。
掴まれている肩はまだ痛いけど、そんなのも気にならなくなるくらいに。





「おい、女子相手に出す力じゃないだろ」

「…っ!!」





彼の後ろから手をひねり上げ、助けてくれたのはオレンジ髪の彼。
ようやく解放された肩は血流が急に戻ってきてドクドクと脈を打つ感覚に襲われる。





「だって、こんなの…間違って…!!」

『吉良君。

さっきの絵心さんの話聞いてもまだ分からない?
ここで求められてるのはストライカーとしてのエゴイズム。

それを発揮できなかった時点であなたの負けなの』



「A、ちゃん…?」




私に反抗されたことがよっぽど驚きなのか、狼狽える吉良君。

國神君が彼の手を離したのを見て、
今度は私が吉良君の胸倉を掴む。






『ここは世界一になりに来る人が集まるエゴの場所。

結果が全てなの。


…過去の栄光に縋って自分を過信して、
あげくにはチームのマネージャーにまで頼ろうとする?

そんな人が生き残れるわけないって、
たかがマネージャーでも分かることだよ。



…まあ、身の程を知れてよかったんじゃない?
じゃあね、元・日本サッカー界の宝さん』





そう言って掴んでいた手を離す。
どさ、という音を立てて尻もちをついた吉良君は、私のことが心底憎いというような顔をして部屋を出ていった。

最後に言いたかったこと言えてすっきりした。
普段はこんなキャラじゃないんだけどな…。





「と、いうわけで。
おめでとう諸君。ブルーロック入寮テスト合格だ。

まだ怪我を申告してない者は直ちにAちゃんに伝えるように」





ぶつん、と音がして画面は真っ暗になった。

包まれる静寂。
…き、気まZ〜〜〜〜〜(チームZだけに)

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⚽️ - 選手からヒロインへの暴力行為があるのなら先に記入すべきです。そんな描写誰だってびっくりしますよ。 (4月20日 6時) (レス) id: d10d627114 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - cocoさん» コメントありがとうございます!不定期更新で申し訳ないです…少しずつ更新してまいりますので、どうぞお付き合いください! (2月6日 0時) (レス) id: 18955f4b71 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月14日 7時) (レス) @page45 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!愛され逆ハーいいですよね、私も大好物ですぐふふ…いろんなキャラと絡めるように頑張りますね! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - あんこさん» コメントありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふぃる | 作成日時:2023年3月24日 14時

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