第5話 ページ6
誰かとぶつかってしまったと理解するのにそう時間はかからなかった。
相手は選手なのだろう、体幹がしっかりしているから私ごときとぶつかったところで動じていない。けれど私は反動でよろけてしまい、いくつか衣服も落としてしまった。
『ごめんなさい、不注意で…』
「ん−、大丈夫。てかなんで女の子がいんの?」
『マネージャーとして雇われたので…。あ、私椎葉Aです。
えーと……な、なぎささん?』
「誰なぎさって。俺は凪だけど」
いきなり名前を間違えてしまった。
白髪で高身長なのが印象的で何となく名前は憶えていたはずだったんだけど、まだぜんぜんうろ覚えだった。でもさすがに300人分この短時間で覚えられるわけがないので仕方ないと思う。
『凪さん、自分の部屋行かないんですか?』
「ん−…めんどくさい…玲王どっかいったし」
『迷子ってこと?えー、ちょっと待ってくださいね』
タブレットを操作し凪さんの情報を見ると、彼はチームVに振り分けられていた。
一枚ページをめくると、同じくチームVに御影玲王という人の名前もあったので、きっと彼とはぐれてしまったんだろう。
高校生にもなって迷子ってどうかと思うけど。
『Vの部屋ならすぐそこですよ。私も用事あるので、一緒に行きましょ』
「めんどいから連れてってー」
『いや距離感』
だらーんと腕を回して私の背中にもたれかかってきた。
初対面でこの距離の近さって何かのバグですか?
高身長でスポーツやってるだけあって、めちゃくちゃ重い。
こっちは荷物も持ってるのになんでおもりまでしなきゃいけないんだ…。
「あ、いた!凪!」
「あ、玲王」
「どこ行ってたんだよ、探したぞ。…あれ、君は?」
声がした方を頑張って振り向くと、先ほどデータで見た紫髪の彼がいた。
女子がいることも想定していなかっただろうし、さらにこの状況だ。
混乱している様子が見てとれる。
『マネージャーの椎葉Aです。…あの、この人どかしてもらえると助かるんですけど…』
「重いだろ、ごめんな。ったく凪、俺以外にあんまり迷惑かけるなよ」
「はーい」
王子様スマイルで凪さんを引っぺがしてくれる御影さん。
そしてそのまま凪さんをおんぶした。うわ、すごいな。
言動から凪さんへの愛が伝わってくる。
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⚽️ - 選手からヒロインへの暴力行為があるのなら先に記入すべきです。そんな描写誰だってびっくりしますよ。 (4月20日 6時) (レス) id: d10d627114 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - cocoさん» コメントありがとうございます!不定期更新で申し訳ないです…少しずつ更新してまいりますので、どうぞお付き合いください! (2月6日 0時) (レス) id: 18955f4b71 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月14日 7時) (レス) @page45 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!愛され逆ハーいいですよね、私も大好物ですぐふふ…いろんなキャラと絡めるように頑張りますね! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - あんこさん» コメントありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃる | 作成日時:2023年3月24日 14時