サポートと支配は紙一重【ブルーロック】

第35話 ページ39

翌日。

仕事は早朝にがんばった。

試合中に怪我人が出た、というようなアクシデントがない限り、洗濯物の回収をして洗濯機を回せば仕事は終了だ。
彼らの試合は午後からだから、これでゆっくりチームZとチームWの試合が見られる。



千切君たちの伍号棟で最後。
順番に回っていって、(凪君にダル絡みされたりしたけど)残すはあとチームXの洗濯物だけだ。
とはいっても、いつも馬狼君が大方まとめておいてくれるからそんなに大変な作業ではないし、チームXもこれから試合があるからもう試合の準備でもしているだろう。




『失礼しまー、』

「っだから、このままじゃ勝てないって言ってんだよ！」

「うるせぇ、下民どもは黙って俺に寄越しゃいいんだよ」





…入ったタイミングが相当悪かったらしい。

馬狼君vsその他のチームXで言い争いが起きていた。
その中にはもちろん先日から私に嫌がらせをしている面子もいるので、悪いけどできたらあまり関わりたくない。

あの人たちが言っていたことはおかしいと思ったけど、確かに馬狼君の態度にも問題はあると思うから。首はツッコみたくないです。


極力目立たないように洗濯物を回収していく。





「チッ…。今更文句垂れてんじゃえねよ。

おいマネージャー。これが今日の分だ。
てめえら、他にも洗濯物ある奴はさっさと出せ。マネージャーを困らせんな」

『え、あ、ありがとうございます』





洗濯物をまとめた籠を置いて、そのまま出ていってしまった馬狼君。

彼がいなくなったことで一旦は場の空気が収まったけど、次の瞬間にはまた馬狼君へのヘイトによって場が盛り上がっていた。





「あーもーマジでムカつく……。あ、そうだ」

「いーこと考えた」

『…』





既に聞き馴染んでしまった声が、よからぬことを企むような表情でこちらを見つめる。

さすがにデジャヴすぎるし、身の危険を感じて洗濯物の回収は後回しにして部屋を出ようとする。



けど私の背後にはもうとっくに他の選手がいて、後ろから羽交い絞めにされた。






「マネージャーって俺らのために俺らの世話してくれる係だよなあ！」

「ってことは、俺らのこの鬱憤もAちゃんが晴らしてくれるよね？」




『っ、やめ、…』

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