第31話 ページ35
迎えた次の日。
「やあやあ、おはよう才能の原石ども。
今日から少し原石どもにノルマを追加してやる」
全相部屋につなげたモニターから喋る絵心さんを後ろから見つめる。
絵心さんが選手に伝えたノルマの内容。
それは、現時点でまだ1ゴールも決めていない選手を対象に、私が考えた選手一人ひとりに合わせた個人練習を毎日達成してもらうことである。
「あ、ちなみにカメラとボールのセンサーでサボってないかはチェックできる。
ノルマを達成できない奴は夕飯なしねー」
「「はあ!?!」」
選手たちの驚く声も気にもせず、いつものぶつ切りをかました絵心さん。
こちらを振り返るのが目に映り、私も彼の方へと歩み寄る。
「Aちゃんが自分から選手を追い詰めようとするとはね。
何か心境の変化でもあったか?」
『まあ、ちょっと。計画を崩してしまってすみません…』
「大した差じゃないから問題ない。
俺は君の能力には期待しているからな、その出資とでも思っておけ」
ストレートなんだかひねくれてるんだか分からない褒め言葉をもらって少し元気が出る。
このノルマ制を考えたのは、もちろん今ゴールを決められていない選手たちにも成長してほしいと願ってのことだけど、昨日のことがあってムカついてないわけではない。
私が組んだメニューをこなして、強くなって、それで初めて他の人の文句でも言えばいい。
ついでに私が使えるってことも知っとけ。
**********
ノルマは1日のうちならいつやっても自由なので、直近で試合がない人たちの様子を伺いにトレーニングルームへと足を運んだ。
案の定チームZの面々が練習をしていた。
「おお、マネージャー。おっす」
『我牙丸君お疲れ様。作り立てのスポドリあるからよかったらどうぞ』
「助かる。みんなにも配ってくる」
一番近くで休憩していた我牙丸君に声をかけると、それはそれは嬉しそうにスポドリを抱えてみんなの元へ歩いて行った。くまさんみたいでかわいい。
練習風景を見る感じ、ちょうど私のメニューにそれぞれ取り組んでいるみたいだ。
「あの、椎葉さん」
『潔君。どうかしました?』
「他の奴らのメニュー見せてもらったんすけど…。
なんていうか、椎葉さんすげーって思って、俺も専用のメニュー欲しいっす!」
あまりにもまっすぐな目で言うものだから、思わず二つ返事で了承してしまったのだった。
すると、その後ろからオレンジ頭がのぞいた。
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⚽️ - 選手からヒロインへの暴力行為があるのなら先に記入すべきです。そんな描写誰だってびっくりしますよ。 (4月20日 6時) (レス) id: d10d627114 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - cocoさん» コメントありがとうございます!不定期更新で申し訳ないです…少しずつ更新してまいりますので、どうぞお付き合いください! (2月6日 0時) (レス) id: 18955f4b71 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月14日 7時) (レス) @page45 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!愛され逆ハーいいですよね、私も大好物ですぐふふ…いろんなキャラと絡めるように頑張りますね! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - あんこさん» コメントありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃる | 作成日時:2023年3月24日 14時