検索窓
今日:410 hit、昨日:220 hit、合計:159,538 hit

第30話 ページ34

「俺らが弱いって言いたいわけ?」

『そういうわけじゃ…』

「じゃあどういうわけ?」

『……、この試合は0を1に、サッカーを作り変えるゲームです。
それを初戦で馬狼君はやってのけました。
他にそれができた人はあなたたちのチームにはいない。

例えば他チームでは、誰かが0から1にしたものを、今度は100にする人もいます。

でもそれもあなたたちの中にはいない。


エゴを出して、自分の能力、価値を示す場において
他の人の力にあやかって戦況が変わったら不満を垂れるだけ…。

考え方とか、改めた方がいいと思います』






沈黙が流れる。


い、言ってしまった。

ちょっと言い過ぎたし気まずいし、めちゃくちゃ逃げたい。





『ご、ごめんなさい…言い過ぎました、じゃあ、私はこれで、』




そそくさと部屋を出るためボトルを集めていると、急に背中に衝撃が。
背後からの衝撃が突然のことすぎて、ろくに受け身も取れずに前に倒れこむ。

この前の食堂で転んだな…なんて思いながら振り返ると、チームXの彼らが目の前に立っていた。





「…調子乗りすぎじゃね?お前」

「たかがマネージャーのくせにイキってんなよ」





そんな言葉とともに降ってくる、彼らの足。

芝を駆け、ボールを蹴るために使われるはずのその足に蹴られているのは私の身体。
理解が追い付かないまま、ひとまず頭だけは守ろうと必死に体を丸める。






『や、め…っ……こんなこと、して、絵心さん、が』

「ざんねーん、ここ監視カメラの死角だから映んねーよ。
俺視野広いんだよねー、マネージャーなのにそんなことも知らねえのかよ」





潔君や玲王君、二子君、凛君。
視野が広いことを武器としている選手は何人もいるけど…
使い方ひとつでこんなにも最低なことができてしまうんだね。

少しでも痛みから目をそらすために他のことを考える。

蹴られている中では動けないし、絵心さんにも見えないのならどうしようもない。



少しするとようやく解放されたけど、体中痛いところだらけ。





「はースッキリした」

「使えねえマネもサンドバッグくらいにはなったな」






そう言って部屋を出ていった彼ら。



たしかに、彼らをきちんと見てあげられていなかったのかもしれない。

……さんざん言われたけど、もう使えないなんて言わせないから。

第31話→←第29話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (218 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
686人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

⚽️ - 選手からヒロインへの暴力行為があるのなら先に記入すべきです。そんな描写誰だってびっくりしますよ。 (4月20日 6時) (レス) id: d10d627114 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - cocoさん» コメントありがとうございます!不定期更新で申し訳ないです…少しずつ更新してまいりますので、どうぞお付き合いください! (2月6日 0時) (レス) id: 18955f4b71 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月14日 7時) (レス) @page45 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!愛され逆ハーいいですよね、私も大好物ですぐふふ…いろんなキャラと絡めるように頑張りますね! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - あんこさん» コメントありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふぃる | 作成日時:2023年3月24日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。