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第28話 ページ32

マッサージの時間は30分までと限られているため、時間を無駄にしないよう意識を集中させる。


高校の部員にやっていたのとやり方は同じだけど、対象者のレベルが違うことでこんなにも触り心地というか、力の入れ具合が変わってくるものなのかと内心驚いている。

サッカーの能力を活かすためについたような筋肉は、当然のようにこなすハードな練習にもしっかりと応えている。
それでもやっぱり疲労は蓄積していくものだから、それを軽減できるようほぐす。




合ってるかな、大丈夫かな、と不安になりつつも進めていくと、特に何か言われるわけでもなく30分の経過を知らせるアラームが鳴った。






『時間きちゃいましたね。お疲れ様でした』

「…お前、経験者か。家が整体やってるとか」

『残念ながらほぼ未経験です。親も普通にサラリーマン』





質問に返答すると、彼の口から出たのは舌打ちだった。
私やっぱへたくそだったかな…。怒っていらっしゃる…。






『ごめんなさい、こんなド素人がやっても逆効果ですよね。
後で絵心さんにポイント返してもらえるように言ってみますね、』

「っ…違う、そんなこと求めてねぇ」





上手くできているかは不安だったけど、誠心誠意やったつもりだったからここまで否定されちゃうとさすがの私も傷付いちゃう。
なんてメンタル豆腐の私は心の中でちょけてみる。





『本当にすみません。
糸師君みたいな被害者を出さないように、辞退してきます…』

「だからちげえっつってんだろ。逆だ」

『え…』

「センスがあるんだからちゃんと磨いて自分の武器にしろって言ってんだ」





そう言ってまた舌打ちをひとつ。



…いや絶対そんな風なことは言ってなかったよね?

でもこれが彼なりの褒め方だと思うので、素直に受け取っておくことにする。






『ふふ、ありがとうございます』

「…精々腕を磨いておくんだな。
あと次苗字で呼んだらコロス」





かけていたバスタオルを払い落とし、いとし…凛君は部屋を出ていった。

嬉しい言葉をもらったのを糧にマッサージの勉強をもっと頑張ろうと思えた。
早速と思って絵心さんにもらった参考書を開こうとした瞬間、タブレットが光って他棟へ応急手当をしに行ったのはいうまでもない。

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⚽️ - 選手からヒロインへの暴力行為があるのなら先に記入すべきです。そんな描写誰だってびっくりしますよ。 (4月20日 6時) (レス) id: d10d627114 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - cocoさん» コメントありがとうございます!不定期更新で申し訳ないです…少しずつ更新してまいりますので、どうぞお付き合いください! (2月6日 0時) (レス) id: 18955f4b71 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月14日 7時) (レス) @page45 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!愛され逆ハーいいですよね、私も大好物ですぐふふ…いろんなキャラと絡めるように頑張りますね! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - あんこさん» コメントありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふぃる | 作成日時:2023年3月24日 14時

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