第27話 ページ31
凪君や玲王君に声をかけてから出たかったけど、もう試合は再開されていて声をかけれる雰囲気じゃなかったので何も言わずに出ていった。
だから私はその後、凪君がGKを代わってサボっていたことも知らなかった。
(後ほど玲王君から聞かされることになるのだが)
ゴールボーナスを使ったってことは、もう第1試合が終わったのか。
しかも相手は全棟の中でトップレベルに君臨する糸師凛君。
こりゃあ下手なことできないぜ…。
なんて考えながらタブレットを頼りにたどり着いたのは、選手用のお風呂場の隣の部屋だった。
ここには何もなかったはずだけど、いつの間にか立派なマッサージ室へと変化していた。
『失礼しまーす…』
「おせぇ」
『スンマセン』
中ではすでに糸師凛が待ち受けていた。
その威圧感に圧倒されながらも、ベッドに横になってもらうよう促す。
おとなしくうつぶせになってくれた糸師君の背中に薄手のバスタオルをかけ、軽く全体を触診するように触っていく。
嫌がられるかな、と思ったけどそれに対しての反応は特になかった。前に身体をチェックをしたときも同じようなことしてたし、今更だったか。
『一番しんどいところとかってありますか?』
「ない。勝手にしろ」
…特にご要望はないとのことなので、疲労が溜まっている部位を中心に全体的にほぐす。
部活でマッサージを頼まれてたときはいつも何かしらの注文があったから、何も言われないと合っているのか分からず不安になる。
『力加減どうですか…』
「……」
無言は肯定とみなします。
少なくとも何も言ってこないってことは、間違ってはいないってことだもんね。
『にしても、最初のお客さんが糸師君ってちょっと意外でした。
てっきりこういうのは使わないのかと』
「あ?」
『ヒェッゴメンナサイ…』
「…利用できそうなもんは全部利用する」
『糸師君のためになるような利用価値があったなら嬉しい限りです』
意外と会話が続いたことに心がほくほくする。
糸師君のサッカーに対する思いは尋常じゃないし、それに付随して高校生とは思えないほどのストイックさも相まって、ステータスも努力もどっちも才能がある人だ。
こういう話を聞くと、ナンバー1は伊達じゃないなあって思う。
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⚽️ - 選手からヒロインへの暴力行為があるのなら先に記入すべきです。そんな描写誰だってびっくりしますよ。 (4月20日 6時) (レス) id: d10d627114 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - cocoさん» コメントありがとうございます!不定期更新で申し訳ないです…少しずつ更新してまいりますので、どうぞお付き合いください! (2月6日 0時) (レス) id: 18955f4b71 (このIDを非表示/違反報告)
coco - 更新待ってまる (1月14日 7時) (レス) @page45 id: 5b00a62990 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!愛され逆ハーいいですよね、私も大好物ですぐふふ…いろんなキャラと絡めるように頑張りますね! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
ふぃる(プロフ) - あんこさん» コメントありがとうございます!ゆっくりですが頑張ります! (5月20日 0時) (レス) id: 91d6034ebf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふぃる | 作成日時:2023年3月24日 14時