サポートと支配は紙一重【ブルーロック】

第11話 ページ12

次の日。

私は絵心さんに課せられた仕事ノルマをクリアするために必死に走り回っていたのである。

そう。昨日感じた部活のときより走る量が増えているというのは、入寮2日目にして見事に現実となってしまっていた。



やること自体はタオルの準備やスポドリなどあまり変わらないが、とにかく量が多い。
それに世界一を目指す意識の高い人たちが集まっているだけあって、自由時間も練習する人が多いことで、怪我や疲労による体調不良なども多い。

これ全部私1人で頑張ってるの褒めてほしい。


たまにアンリさんが手伝いに来てくれるんだけど、やっぱり彼女も連合の仕事が忙しいみたいで毎日ではない。
まあこれが私に任せられた仕事なんだから自分でやり遂げなければ。




ちなみに昨日は疲れすぎて洗濯物を回しながらリネン室で寝てしまったので、今日こそは布団で寝れたらいいなあ。


なんて考えつつ乾いたタオルをたたんでいると、タブレットに新しいノルマが課せられた。




『なになに……【至急：選手全員の身体能力チェック】？』




明日からトレーニングテストが行われることは聞いている。
そのテストで身体能力を図るんじゃないのか。





「これより身体能力検査を行います。
選手は速やかに部屋に戻り、部屋着を着用し待機していてください」





館内アナウンスが聞こえてきた。
え、これから何すればいいのか全然分からない。





「“Aちゃん聞こえてる？”」

『あ、アンリさん！聞こえてます』

「今放送でもあったように、Aちゃんに身体能力を視てもらいたいの」

『私がですか？』

「そうだ。お前の目を買っているからここに呼んだんだ。役目を果たせ」




絵心さんの声も聞こえてきた。
私の目ってなに…？そんな特別な才能なんて私は持っていないんだけど。





「難しく考えなくて大丈夫よ。
普段部活で選手にトレーニングのアドバイスしたりするでしょ？そういうときと同じように選手の状態をチェックしてもらいたいの。

タブレットの方に見てほしい項目はまとめてあるから、
そのままそこに1人1人情報を記入していってね」


『できるか分からないけど、やってみます…』





いつも部活でやってたことをやればいいだけなら簡単かな。
絵心さんからのプレッシャーはすごいけど、できる限り頑張ってやってみよう。

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