サポートと支配は紙一重【ブルーロック】

第1話 ページ2

数日前、突然自宅に届いた手紙。



【強化指定選手マネージャー】に選ばれたという趣旨が記されている。
差出人は…日本フットボール連合。



最初は何かの間違いだろうと思い、気にしないようにしていたのだが。



さっき、見てしまったんだ。
同じ部活に所属している彼が、私に届いたものと同じ封筒を手にしているところを。



真相を突き止めるべく、練習後に自主練を始めようとうする彼に声をかける。





『…ねえ、吉良君。ちょっといい？』

「！どうしたの？Aちゃんから話しかけてくれるなんて珍しい」





私だって用がなければあまり話しかけたくなんてない。

彼が嫌いというわけではないけど、圧倒的女子人気を誇る彼がいる部活でマネージャーをやってるっていうだけで顰蹙を買うのに、仲良さげに話したりしたら後ろから刺されそう。

そんな気持ちを知ってか知らずか、向こうはむしろ積極的に私に話しかけてくれるけど。ありがた迷惑だというのが正直なところで、そんなことも相まって彼があまり得意ではないのだ。





『あの、さっき封筒持ってるの見ちゃったんだけど…。
もしかして吉良君、日本フットボール連合から何かに選ばれたりした？』

「え、うん！強化指定選手に選出されましたって書いてあったけど…なんで知ってるの？」




心なしか距離を詰めてきた気がして後ずさりながらも、私にも同じものが届いたことを説明する。
すると、みるみる吉良君の瞳が輝きだした。





「すごいねAちゃん！俺はずっと君のこと評価してたんだよ。
やっぱり見てる人は見てるんだね！」

『ありがとう…』





手を握って熱弁してくる彼のせいで、周りの視線が痛い。

話を聞いていると、なんというか、私そのものを評価しているというよりも自分に使えそうな人間だから評価しているというように聞こえて、あまりいい気はしない。
どこか上から目線というか、こういうところあるんだよな。


それでもよく分からない手紙を不審に思っていた私としては、知り合いがいるということは誰だとしても心強かった。
そんな話の流れのまま、一緒に日本フットボール連合へ向かうことが決まった。

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