紫爛花

purpleなら俺だろ？２ ページ39

「多分俺は、時間が経ったら忘れとっちゃん。」

「分からん。これが答えになってるだろうか。」


彼が一生懸命自分を分析していることに
何だか母親のように感心したくなった私。


・何故突然このようなことを気になったか。
・もしや、Aに辛いことがあったと？
・吐け。とにかく全部吐け。

について当然この反社会勢力に詰められるわけで。
画面のプレイヤーは荒野で棒立ちのまま時間が進んでいく。


「うわ、バリ攻撃されとーよ。ヤバいよ。」

「どうでもいい。吐け。」


トイレ風呂よりゲーム優先なのに、
ゲーム＜彼女なのは相当嬉しかったりする。

座っていたはずの椅子にコントローラが置いてある。
本当に、いい彼氏。あ、死んじゃった…


「絃歩って辛くて困ってる人をいっぱい助けてて素敵だなって。」

「だから、絃歩のことは私が助けたいって思ったの。」


眉間に皺を寄せて、目をパチクリさせて固まっている。
あれ、詰められ方が小指落とされる勢いだったのに
完全フリーズ。生きてる？おっぱ いパラダイスさん？！


自分が辛かった時何度も助けられた身として
年々愛が増すことに、抱えているものを分けて欲しい
ずっと笑っていて欲しいと思う。心から、思う。


「フフフ…」

「おっパラさん…？」

「ンフフフ……」


めちゃくちゃ気に入ったコメント見つけた時くらい
めっちゃくちゃ、喜んでらっしゃる。

やな予感がして(？)そーっと逃げようとすると


「俺の助けになりたいかぁ。へぇー。それって、なんでもしてくれると？」

「えっと、時と場合によるかもしれません(？)」

「嘘だったと？悲しい、ツラーイ。涙出ちゃう。」

「あーもう、なんでもしますから！」


なんですか。あのカナシイ、ツラーイの棒読みは。
最大級の偽りない心の底から楽しそうな笑顔。
引き出せたことが嬉しい！と思いながらも
無事、逃げられなかったため、床に押し倒される。


「お前をいじめとー時が一番楽しいかもしれんなぁ。」

「もうその笑顔、それが答えですよね…」

「バリ楽しい。生きてるって感じする。」


このままラウンドスタート？かと思いきや
私を見下ろすふぉいはまだ、何もしてこない。


「そうは言ったっちゃけど、お前は俺のために…なんて思わんくていいよ。」

「どうして？」

「なんでもしてあげるとか、そーゆーのAがすり減ってしまいそうやけん。そんなこと、気にしなくていい。」


この体勢でのキスは、スタートの合図。


「何もせんくていいと。ただずっと、俺の見えるところにいてくれたら、それでいい。」


やっぱり、いつだってこの男は負け知らずで
私ばっかり満たしていくんだ。

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