貧血少女の秘密 3【ky】 (ページ20)

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二十話ページ20

「ダメ」

え…美咲？

「ハロウィンパーティーはしましょう。でもアンタの家はダメ。」

『どうして…』

「ダメなものはダメよ。頼んで学校使わせて貰うから。いいでしょ」

『う、うん…ありがとう？』

突然、教室のドアが開き、ヒラさんが入ってきた。

「トリックオアトリート！」

笑顔で私達に言ってきた。

てっきり家でパーティーをするつもりだったので何も持ってきていない。

「俺ねえよ」

『ごめん、私も…』

「ええっ、せっかくのハロウィンだよ？みんな持ってきてないのかぁ…。パーティーには誘ってね」

ヒラさんはとても落ち込んだ様子で、自分の教室へ帰ろうとドアまで歩いていった。

「お菓子くれなきゃイタズラするよ？」

そんな声が聞こえた気がした。

放課後

「教室使って良いそうよ」

美咲がそう言って、色んな飾りや仮装類を持ってきた。

『すごい！色々あるよ！』

沢山の仮装の中から私はネコミミを取り出した。

「それ着けんのか？」

キヨ君が背後から聞いてきた。

『ううん』

ネコミミをキヨ君の頭に着ける。

「は！？何で俺なんだよ！」

『似合ってるよ！』

キヨ君がよく書いていたあの黒猫を思い出してキヨ君は絶対ネコミミが似合うと思った。

「…じゃあお前これな…」

キヨ君は魔女の帽子を私に被せた。

『魔女？』

吸血鬼なのに？

そう思っているとキヨ君は小声で言ってきた。

「このあとヒラが来るだろ。アイツには吸血鬼って言ってねえだろ。」

帽子で隠そうと…。

『ありがとう』

そう笑顔で返すと、キヨ君が頬を赤く染めた。

「おじゃましまーす」

教室のドアが開き、ヒラさんが入ってきた。

「トリックオアトリート！」

「はいはい、用意しましたよ…」

フジ君が呆れた様子でお菓子を手渡した。

美咲も飴をキャッチ出来る速さで投げていた。

『ヒラさん！トリックオアトリート！』

「Aちゃん！どーぞ」

微笑みながらチョコレートをくれた。

『ありがとう！』

ハロウィンでお菓子を貰える事がこんなにも嬉しいことだとは思っていなかった。

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なんと続きます。ハロウィン過ぎましたね。ごめんなさい。