異世界食堂×兵庫水軍クロスオーバー第四編

カカシ班・伊作と雑渡・兵庫水軍(8) ページ5

伊作「躰を捨てるだって？！無茶だよそんなの。幾ら人間じゃ無いからって、生き物である以上、躰を持ちながら生きるのが普通なのに。そんな自然の理に反する真似なんかしたら、絶対に何らかの副作用か弊害が起こるじゃ無いか！」

ヴィクトリア「その通り。その秘術に手を出した者達は皆、数百年足らずで発狂してしまい、狂える死なぬ躰を持つ死人の群れと化し、死を振りまきながら暴れ狂った。やがてその国は死に絶えた。その元凶となった死者と悪霊達を除いて。」

鬼蜘蛛丸「何て恐ろしい…！そうか、そういう実害や過去があるから、ハーフエルフは表舞台では生きられないんだね。寂しいな。必ずしもそんなことになる訳じゃ無いのにな。過去の失敗を教訓にやり直しても良いのに。」

チリンチリン。

？「失礼する。ティアナ様にご招待を受けて、また寄らせて頂いた。お前達、ティアナ様達はもうお見えになられている。入れ。」

見ると、まるで蝙蝠(コウモリ)のような緑色の竜の翼を生やした黒服を身にまとった小人の一団が飛びながら入って来た。恐らく、先程声を発した茶髪の若い男がパウロであろう。なる程、小さいながらも中々に力強い覇気を放つ男である。

店主「いらっしゃい。」

ティアナ「「パウロ殿！よく参られた。今宵の宴も楽しまれて行かれるがよい。今宵は、貴方が以前に話されていた塩味の具材を入れたミルクレープを頼んである。部下の方達もな。」

パウロ「有り難う御座います。大いに楽しませて頂きます。皆、ご挨拶しろ。」

パウロ達はティアナに次々にあいさつしている。その時、一人のパウロの配下の少年が、鬼蜘蛛丸達に近寄って来た。パウロ達は話に夢中で気付かない。

義丸「ん？何だ坊主。何か俺達に用か？」

リリパットの少年「い、いえ。俺人間を見たのは初めてなんです。潮の匂いがしますけど、もしや貴方方は人間じゃ無くて人魚の化身ですか？たまに此処には海の民も来られると聞いたので。」

疾風「プッ！俺や此奴らが人魚だって！？わはははっ！じ、冗談止めろ坊主！は、は、腹痛え！大体こんなごつい脂ぎった人魚なんか居てたまるかよ。特に此奴なんか、想像しただけで寒気が…、」

蜻蛉を指差す。すると、

バシッ！！

疾風「ぐわっ！！コラ蜻蛉！てめえ人の頭ミンチにする気かよ！」

蜻蛉「貴様こそ寝言言うのは止せ。こんな素直そうな子供に！誰が吐き気がする面だって！？」

疾風「ああ？てめえの耳にゃバリウムでも詰まってやがるのかゴルァッ！」

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