今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:26,142 hit
小｜中｜大
5 ページ39
.
窓の外にはやっぱり、紫陽花が咲き始めていた。
壁に貼っているあの日の絵。
…暖かいな。
こんなに暗くて寒い部屋なのに、そこの辺りだけ陽だまりのようだった。
画鋲を外して、そっと抱きしめる。
｢じゃあ、翔くん。今から迎えいくな。｣
その日は大学もバイトも休みの日だった。
だから、智くんと町から外れた廃墟に行く予定だったのだ。
不気味だなぁ、なんて思ったけど、俺は智くんといられれば、それでいいから。
俺も彼も車は持ってなくて、自転車で駅まで行く。
彼の家は駅まで行くとなると、俺の家を通るから、いつも俺は家の前で待ってるのだ。
ドッ……！！！ガラッ！ガラ……
近くの交差点から大きめな音がした。
車と何かがぶつかったような音。
その後すぐにそれを打ち消すような叫び声。
…事故だ。
咄嗟に時計を見る。
.
針は、ちょうど約束の時間を指していた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鈴 | 作成日時：2016年11月26日 18時
