【遊戯王VRAINS】闇に紛れた月Ⅳ (ページ45)

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月夜百五十八夜目ページ45

遊作 side

｛｛君たち無理矢理ネット回線切断するとか正気！？私の5%ぐらいネット回線に入ってたのに、回線切断されたから私の1部がちぎれるかとおもったわよ！！！｝｝

どうやらちょうどアテナがネット回線を通してLINK VRAINSに逃げ込もうとしていたようで、突然の回線切断の性で痛みを感じてしまったようだ。

「あー……悪い。まさかそんなことになるとは思ってもいなくてな……」

{{えぇん……痛かった……}}

若干涙目になりながら、アテナはぶつくさ文句を言う。
だが遊作はそんな事は気にせず、話を続けた。

「こちらにはまだお前には聞かなくてはならないことがたくさんある」

{{えぇー、なにそれ。答える義務こっちにないじゃん。}}

「答えなければ、お前の主人の元に帰さない。が、こちらの問いに答えてくれるなら、お前たちを解放する。悪い話じゃないだろう。」

そう言うと同時に、先程までの自由気ままでどこか飄々としていた彼女の雰囲気が打って変わり、鋭く刺すような冷たい目で睨みつけてくる。

{{……忘れたの？こちとら財前晃とゴーストガールのプログラム程度なら簡単にぶっ壊せるんだ。つまり、こちらには君との交渉に乗る必要性がない。}}

彼女の迫力に気圧されそうになるが、ここで引くわけにはいかない。遊作はぐっと拳を握り締めた。

「……確かにその通りだな。……ならば、条件を変えよう。

俺とデュエルしろ。もしもお前が俺に勝てたら、お前達を解放するし、お前の主であるNew Moonからの要求を何でもひとつ飲む。なんだったらコイツも持って行っていい。」

【えぇっ！？ちょ、ちょっと待てって遊作！！】

Aiの制止の声を無視し、アテナの反応を待つ。
彼女は少しの間沈黙すると、再び鋭い視線を向けた。

{{……へぇ。それは面白い提案ね。じゃあもしも君が私に勝ったら、私は君の質問になんでも答えてあげる。その代わり、もし負けた時は、君は私の言うことを必ず実行してもらうし、そのAIもマスターへのお土産として貰ってく。それでどう？}}

「わかった。約束しよう。」

アテナの提案を受け入れた遊作の返事を聞くと、アテナは満足げに微笑んだ。

{{交渉成立ね！さすが遊作君!!話がわかるぅ～♡}}

先程までの冷たい空気が嘘のようにきゃいきゃいと喜ぶアテナに、草薙はひとまず安心だ、と安堵のため息をもらした。

(これで何の情報もなしに逃げられることはなくなったか……)