【遊戯王VRAINS】闇に紛れた月Ⅳ (ページ27)

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月夜百四十八夜目ページ27

これは一度戻って情報を集めなければ……あ、いやまずは錯乱したリデルを何とかしなければ

一度壁に背を預けてヘタリと座り込んだリデルに背を向け出口の方面へと進めた足を止め、もう一度リデルの方を見る

(……ん？)

だが、先程までリデルが座り込んでいた筈のそこには乱雑に置かれたロープと一冊のノートが落ちているだけ
リボンはリデルが座り込む前からあったものらしい、部屋に似たようなロープが何本か落ちていた。そのうちの数本が先が丸く円状に結ばれていたのには見ない振りをしておこう

だが……

【アイツ、一体何処にいったんだ？あの状態だとまともに動けねーんだろ？】

「あぁ、その筈だ。……他の誰か、ハノイの騎士からの干渉か？」

【それはありそうだな。……で、このいかにも読んでくださいと言わんばかりのこのノート、どーするんだ？】

Aiが指差したのは、リデルが先程まで居た所に落ちている、薄茶色のノートだ。ご丁寧に表紙には『マル秘な重要機密情報だよ♡』と黒ペンで書かれており、読んでくれと言わんばかりである

「……罠の類いではないな。読んでみるか」

【決断早っ！】

「今は少しでも情報が欲しいからな。情報があると分かっているなら、読まないわけにはいかないだろう」

一応トラッププログラムを警戒し、Aiにいつでも捕食状態になれるよう指示をしておく。そしてPlaymakerはまず、表紙を捲った

学習でも電子パットが主流になったこの時代、アナログなノートは廃れ始めている。ましてや電脳空間では尚更
久しぶりに触る紙の手触りに本当になんでもありなのだな、と少々感嘆したが、一頁に大きく書きなぐられた文字に顔をしかめる

『
おっす、オラ書き手！本当なら私はお役御免になっていて、スクラップをボーッと待ってるだけだったんけど、オメーらが無理矢理私を引きずり出そうとして来たから折角の私の生涯ニート計画がズタッボロになっちまったじゃねぇか、巫山戯んな。いい度胸をしているオメーらには褒美として断頭台の上に首を置くのと昔話してやる権利を与えよう！
』

ノートの空白部分にはサインのように書かれた大量の『Razy・Cui』の文字
ああ、どうやらリデルとレジーには何かしら密接な関わりがあると見て間違いないだろう。何だかこのノートを捲るのが一気に面倒くさくなってきたが、仕方なく次のページへと目を向ける