The box was already opened. ページ30
何時からだろうか
わたしは何処かに囚われている
いや、それだと語弊があるなぁ
何故なら囚われているからって言っても、別に何もされてないから
暴行を受けているわけじゃないし、薬の投与とかもやられてない
今、わたしがいるのは、高いコウモリ天井に届きそうなまでに背の高い本棚に囲まれた丸い小部屋。(恐らく高さとしては二階建ての建物と同じくらいだろう。)
この部屋には本棚と、本を読むためのロッキングチェア(わたしの足が短いから地に足が着かなくて、宙ぶらりん状態だけど)、そして、とてつもなく高い天井近くの本を取るために用意された、同じくとてつもなく高い脚立しかない
出入り口はなく、排気口らしきものはない。(でも謎なことに、いつの間にか本棚の本が増えてる。此処から出れるまでの暇潰しになるから、放っているけどね)
さて、今日は何を読もうか、と本達の中から青の革で装丁された本を一冊、持ち上げた
題名は……読めないから、読めない本を置いてある棚に置いておこう。
(ああいうのは解読するのも長いけど、それをエンコードするのなんてどんだけ時間がかかると思っているんだよぉ……)
そんなとき、ドンッ!!という音と共に、強い揺れが始まった
ぐらぐらと揺れる地面。地震!?
思わず置こうとしていた青い革で装丁された本を頭上にやり、頭を必死に守る
地震(？)が漸く収まり、頭を守っていた本を恐る恐る退ける。運良く頭には何も落ちては来なかったが、床に置かれていた本がバラバラ散らばっていた
(う……床が……足の踏み場に困るなぁ)
それにしてもここ最近、地震もなかったはずなんだけど。珍しいな、と頭上を見上げる
そこには何時も通りミルクティ色のコウモリ天井があるだけで、特に変わった所は……
(……あれ？)
よく目を凝らしてみてみれば、天井に大きな亀裂が入っている。先程の地震で入ったのだろう
(……彼処なら、この脚立で届く距離だなぁ)
脚立を使って天井の亀裂まで近づくと、少し押しただけで人一人は通れそうな穴ができた
(……此処から、なら、外に出られる？)
穴から外を覗いてみると、人工灯ではない光が見えた
(外に、出られる？)
わたしは一度振り返り、下を見た
遙か下の方には、ロッキングチェアと床一面に散らばった本がある
(……この部屋に、長居する必要はないよね)
わたしは穴に足を掛けると、外に向けて大きくジャンプした
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さくら - 面白いです。更新頑張ってください (2018年9月15日 18時) (
レス) id: 078b8d6a67 (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語は面白くて続きが早く見たいです。 (2017年10月25日 15時) (レス) id: cf9e98bb45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠伊亞 | 作成日時：2017年9月12日 17時
