月夜 六十五夜目 ページ29
「ねぇ、貴女スキルセットってもう済んでる？」
「は？」
いきなり何を聞くのだ、この女は
New Moonは少し奇妙に思いながら、自身のスキルを見直す
【貴女 ノ スキル ハ “Shadow of the Moon” ガ セット サレテイマス】
モニターに浮かんだその機械的な文字を見直し、「とうの昔に済んでいるが」と答える
そして顔を上げると、目の前にいた筈のレジーの姿が“無くなって”いた
驚いたのは一瞬だけだった
次の瞬間、後ろからレジーの声がしたからだ
「あっそ。なら、そのスキルはもう使わないからデリートして結構よ」
どういう意味だ、と振り返ろうとした瞬間、背中に鈍く、重たい痛みが走った
「悪いわね、私、リボルバーの屈辱的な姿を見に行きたいから。それじゃ、永遠にさようなら。“女王の偽物”さん」
嘲るようなレジーの声が遠く聞こえる
ダメージはそこそこだが、鈍く重たい力に思わず前のめりになる
そして前のめりになった視界の先には、地面は遥か遠く、データストームの通った大通り
だめだ、落ちる。と誰かが冷静に分析していた
頭の中で無数の声がしていた
重なりあい、誰が何を言っているのか分からなかった
急いでDボードを呼べ
足に力を入れろ
アテナ達を実体化させろ
そんな声も聞こえた気がするが、どの言葉通りにも体は動かなかった
叫べ、と
お前の感情を叫べ、と誰かが私に言った
それだけがクリアに聞こえた
雑音にも邪魔されず、様々な声に邪魔されず、それだけが聞こえた
だからこそ、私は名一杯の自分の感情を叫ぶ
「イヤァァァァァァァァｯｯｯｯ!!!!!!!」
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さくら - 面白いです。更新頑張ってください (2018年9月15日 18時) (
レス) id: 078b8d6a67 (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語は面白くて続きが早く見たいです。 (2017年10月25日 15時) (レス) id: cf9e98bb45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠伊亞 | 作成日時：2017年9月12日 17時
