月夜 五十五夜目 ページ16
その時、声が響いた
「離してやれ、財前晃。見苦しいぞ」
「その声は……！」
ふわり、と俺の頬を風が撫でたかと思えば、俺の肩から黄金色の羽虫のようなものが飛び立ち、New Moonの姿へと変わる
原理は恐らくアバター変更なのだろう。だが、何故此処に!?
ゴーストガールも財前晃も目を見開いた
「New Moon!?」
「そんな……！じゃあ、此方のNew Moonは……居ない!?」
New Moonを縛っていたはずの手。だがその中に、New Moonは居ない
「誰にも解けない、って言ってたけど、俺はあんまりそうじゃなかったみたいだな(笑)」
今度は前。しかも、財前晃のすぐ後ろにNew Moonが立っている……！
「き、貴様、何故！」
「うーん……不思議の力で、か？まぁ、マスターの御命令とあれば何でもする。それが俺達のポリシーだから」
笑うNew Moonに扮したソレ
俺と財前晃、ゴーストガールを挟んで、まるで鏡あわせのように立っている二人の少女
此方も複製アバターを使っているのか
「貴様……一体誰だ！名を名乗れ！」
財前が左手を後ろに立つNew Moon(ソレ)に向かって付きだす
すると俺を縛る手と同じものがボコッと地面から飛び出し、ソレに向かった
が、New Moon(ソレ)は余裕をもってヒラリと避ける
「んじゃ、“初めまして”。
俺は『エリカ』。
マスター、New Moonの従順なる下僕にして、マスターの四人の相棒の一人」
丁寧に、まるでショーの観客にするかのように、ペコリとお辞儀する
ソレが顔をあげると、いつの間にかNew Moonから悪魔のような羽と尻尾をつけた幼女の姿に変わっていた
「お疲れさまだった、エリカ。ご苦労だった」
「ヘヘッ。マスターの命令だぞ？断れるわねーだろうがよ！……あれ、前にもこんな誰かが台詞いってたな」
ま、いっか。とケラケラと笑うエリカ
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さくら - 面白いです。更新頑張ってください (2018年9月15日 18時) (
レス) id: 078b8d6a67 (このIDを非表示/違反報告)
あい - この物語は面白くて続きが早く見たいです。 (2017年10月25日 15時) (レス) id: cf9e98bb45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠伊亞 | 作成日時：2017年9月12日 17時
