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記憶 ページ17

『…っビックリした!』

龍「おはよう。」

『おはよう…』





朝目が覚めると、真横に龍友くんが。
どすっぴんだったことに気がついて、咄嗟に顔を隠す。





『寝起きの顔やばいんですけど…』

龍「いつもと変わらんて。」

『え…何気に傷つくんですけど…』

龍「ちゃうわ!悪い意味やなくて、いつもと変わらず綺麗ってことやって。」

『…』

龍「そこで黙られると気まずいんやけど(笑)」

『…最近変じゃない?』

龍「何が?」

『なんか…私の寂しさを埋めるために無理してるような気がして。』

龍「そんなんやないて。」

『そう?ならいいけど。』





龍友くんは目を逸らしながら薄く笑った。
嘘だ。龍友くんは絶対私に何か隠してる。

でもきっと聞いても教えてくれない。





『私はもう大丈夫だよ。』

龍「そうか。」

『だからさ…』

龍「俺からも1個聞いてええか?」

『どうぞ?』

龍「Aは…涼太がお前のこと覚えてなくても、一緒におりたいんか?」

『…』

龍「恋が叶わんってわかっとっても、涼太のことを想い続けるんか?」

『…もちろん。』





龍友くんは真面目な顔をして、今度は視線を逸らすことなく真っ直ぐと言った。





『記憶が消えたって、涼太との思い出は私の中に残ってる。また1から築き上げていけば良いだけ。』

龍「そうやけど…」

『私ね、ずっと涼太のこと忘れようとしてきた。』

龍「それでええやん、なんで…」

『でも忘れたいことって、忘れられないんだよ。
忘れたいと思うほど強く頭に残って離れない。』

龍「辛いで?これまでよりずっと。」

『わかってる。』





きっと龍友くんは優しいから、私が涼太の元に戻ることで傷つくのを防ごうとしてくれてる。

でも私にとって涼太がいないことほど辛いことはない。





『でもごめんね、龍友くん。やっぱり無理なの。
私…初めて本当の恋をした気がするから。』

龍「そう…か…。」





龍友くんは少しの間うつむいて、そのあとまた笑った。





龍「まぁその方がAらしいわ。」

『あ、今鼻で笑ったでしょ?(笑)』

龍「どうやろーなー?」

『もう!』





なんだか色々吹っ切れたような気がする。

▽→←龍友side



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設定タグ:片寄涼太 , GENERATIONS , ヴァンパイア   
作品ジャンル:恋愛
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りさ - いえいえ(*^-^*)新作楽しみにしてます(*^-^*) (2020年9月29日 4時) (レス) id: b925f584b2 (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - りささん» ありがとうございます!なるべく早く更新できるよう、頑張りますね! (2020年9月24日 22時) (レス) id: 34d49d678f (このIDを非表示/違反報告)
いくら(プロフ) - 片寄楓さん» ありがとうございます!書いた甲斐がありました(笑) (2020年9月24日 22時) (レス) id: 34d49d678f (このIDを非表示/違反報告)
りさ - えっいつの間に完結になってたの?本当はもっと読みたかったけど新作楽しみにしてます(*^-^*) (2020年9月23日 0時) (レス) id: 76aa5cadc8 (このIDを非表示/違反報告)
片寄楓(プロフ) - 完結おめでとうございます!!涼太くん推しなのでこのお話は読んでいてドキドキしました(≧∇≦)何度も読み返したくなる作品です。またいつか別のお話、楽しみにしてます(>_<) (2020年9月20日 15時) (レス) id: a5a37dc932 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いくら | 作成日時:2020年4月6日 23時

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