夢ならば

真実は【Hiroya.S】 ページ32

｢っ、あ…｣

否が応でも俺を貫いた声
あぁ、ごめんA
隠しきれねーわやっぱ

人も疎らなホールで彼は静かに口を開いた

真剣佑｢Aは、ホスピスにいるの、？｣

震える声で
ゆらゆら揺れる瞳で
静かに俺に真実を問い質す

｢っ……｣


諦めろ、腹を括れよ俺



｢そう、です｣

やけに声が掠れている

｢聞きたいことはたくさんあると思います
と言うか、俺が言いたいことがあるんです
いつなら話せますか？｣

真剣佑｢明日の午前中ならいいよ、｣

｢なら、明日の10時にここでどう、ですか｣

真剣佑｢わかった｣


初対面のような
お互い相手がどんな人か知らないような
たどたどしい会話
それですら、今の俺には精一杯だったんだ



なぁ、A

明日、お前にサプライズがあるんだ

と言っても俺も想定外のことなんだけどさ

だからちゃんと驚いてくれよ？

ノーリアクションとか悲しいことはなしな


俺があの人に勝てない理由が分かったよ

さすがに勝てねぇわ

ちゃんと愛されてんじゃん

そうでなくてもみんなお前のこと大好きだわ

気付いてないだろ

ん？俺？

俺はずっとお前しか見てなかった


ずっとお前の幸せを願ってたのに



俺が願われる側になりそうだ

終わり ログインすれば
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