「僕が消しちゃったから」 ページ29
周囲で二の足を踏むヒーローの間を潜って、燃え盛る建物の前に来た。
「おい！なんでこんな所に……早く逃げなさい！」
「ん〜、面白くない君に言われたくないね。だって何もしてないじゃん」
制止の声を無視して中に入る。
「あっつ……」
僕に触れる火を全て水に変えるが、蒸発も早いせいでサウナ状態だ。額に浮かぶ汗を拭って、更に奥へ進む。ここら辺まで来れば良いだろうと足を止め、指を鳴らした。一瞬手の甲を炎が撫でたが、大した怪我にはならないはず。
大きく燃えに燃えていた炎は小さくなり、台所らしき場所の隅でパチパチと火を伸ばそうとした。
「ゲホッ、あ〜……さて、これで降りてきてくれたら面白くなりそうなんだけど」
火種を踏み消して窓を開ける。しかしお目当ての人は見当たらない。
「骨折り損のくたびれもうけ、ってやつか。上手くいかないもんだね〜」
そのまま窓から出ると、細い小路に繋がっていて、僕はブラブラと歩く事を決めた。ショータはショータで仕事してるんだろうし、このまま家帰るのもいいかもな〜。
「おい」
背後から声をかけられる。知らない声だ。でも、その声は既存のカテゴリにすぐに入った。
「わおっ、凄い顔だね〜腕も痛くないの？…………な〜んて。君のつけた火だけど、僕が消しちゃったから」
黒髪。無数のピアス。焼け爛れた肌。蒼い目。黒いロングコート。焦げ臭い空気。
やっぱり、彼がさっき見た奴だ。
「どうやって消した。並の水じゃ消せねぇはずだが」
「水？違うぜ、僕はただ火を"小さく"しただけ。"大きく"燃える火をね」
「……中に死んだ奴は居たか」
「え〜あんま見て回った訳じゃないけど……肉が焦げたみたいな臭いはしたかなー。君のターゲット？」
「そんなとこだ」
見たところ悔しがってる様子はない。期待外れな反応だな〜ザンネン。……久しぶりに"あべこべ君"やろうかな。SNS上じゃ「もう出ないの？」なんて言われてるし、今出て行けばまた楽しい事があるかもしれない。
「待て。なに帰ろうとしてんだ雄英生」
「……僕その呼び方あんま好きじゃないかも」
「どうでもいいな。とりあえず、見たんだから死ね」
「えぇ〜酷くな〜い？別に捕まえようってんじゃないんだからさ〜。それに、僕厄介だよ」
逃げるが勝ち〜、と空を足場にして走り去った。
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すみた先生(プロフ) - 名無しさん» 温かいコメントありがとうございます！！一応やる気はまだまだあるので頑張ります！！キャラ付け上手くいったみたいで良かった……(独り言) (2022年12月21日 22時) (
レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - コメント失礼します！話消えちゃったのめちゃくちゃ大変だと思いますが、更新楽しみにしてます！夢主くんの性格？口調？がとんでもなく好きで、これからどうなるか気になります…無理はしないでくださいね！長文失礼しました！ (2022年12月21日 22時) (レス) id: 7cbba75bf7 (このIDを非表示/違反報告)
すみた先生(プロフ) - Yuuさん» コメントありがとうございます！！ (2022年12月18日 9時) (レス) id: 547ebe12b8 (このIDを非表示/違反報告)
Yuu(プロフ) - totemosuki、、、、、、、 (2022年12月18日 3時) (レス) id: fb830e3447 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すみた先生 | 作成日時：2022年9月23日 19時
