43 ページ45
ざわり、と。……動揺の波が拡がる。
了平と京子ちゃんは驚愕のあまり硬直してしまい、口を開けたまま動かない。声を出すこともできないようだった。
瞬時に動いたのはツナと、それからミツ君。
「友香さん！ ど、どうして……！ どう考えても危ないです！」
「先輩、戦闘訓練を積んでないあなたではあまりにも無茶です。どういうつもりなんですか」
ツナは動揺を露に、ミツ君は厳しく冷たい目で、友香を問い詰める。
……だが友香は困ったように微笑むだけで答えない。それ以外にないだろうという笑みだ、とふとそう感じた。
「やめろ友香！ 極限に許さんぞ！！」
やっと硬直から開放された了平が叫んだ。その剣幕に肩を揺らしつつも、京子ちゃんは目に涙を溜めたまま了平に寄り添う。
だが友香は揺らがない。了平と似た灰色の瞳に、黄の＿＿＿＿晴の覚悟の炎が揺らぐのを見た。
「お兄ちゃん。それしかないんだよ。私が行くしか。だって京子やハルちゃんを、危ない目には遭わせられないもの。ね？」
「だが！！ ……いや、ジャンニーニがいる！！ 戦いとは縁遠いお前が出ることは無い！！」
「え、あ、……そ、そうですよ！ 私だってボンゴレの技術者として、マフィアと関係の無い娘さんを戦いに出すなんてことは！！」
「だめ。ジャンニーニさんはボンゴレにとって大切な技術者でしょ？
スパナさんがもともとミルフィオーレの技術者だったから、筋を通すために参加するのはわかるけど、ボンゴレの技術者であるジャンニーニさんが怪我するのはだめ。だれの利益にもならない」
すらすらと答える友香に、ミツ君が目を細めた。反論の隙のない答えに、ジャンニーニも了平も押し黙る。
彼女は微笑んだまま、覚悟の光を宿した瞳を白蘭に向けた。
「私が、出ます。ドン・ミルフィオーレ」
「＿＿＿＿覚悟は決まったみたいだね、友香チャン。陽だまりみたいな君だけど、今は太陽みたいだね」
皆がざわめく中で、友香だけが静かにその場に立っている。……俺は動悸が止まらない。
友香。俺は君の、その目に宿るきいろい炎を知っている。誰よりも、誰よりも愛しい、その覚悟の炎は＿＿＿＿。
「さあ、次はターゲットを決めようか」
ニィ、と。
白蘭が不敵に、口の端を吊り上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 328人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
やっさん(プロフ) - さにー☆彡@多忙によりリプ遅れますさん» いやー、ブラコンから、続く大長編になりましたね。ブラコンからですと、part18を突破になりますね。後書きの謎もありますが、大空の姫の時間旅行!?の最後に、登場する、少年のお墓のX の、謎も明らかになっていません。その、謎も含め続編、楽しみです〜♪♪ (2020年1月12日 18時) (
レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - ゲームでなく、お祭り♪♪でしたか笑。失礼しました♪♪。 (2019年12月11日 18時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - 〜♪。そうこなくてはね〜♪さぁ、楽しい♪♪ゲームのはじまりだ〜♪←白蘭 (2019年11月7日 19時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡@多忙によりリプ遅れます(プロフ) - やっさんさん» ご心配頂きありがとうございます。これからもよろしくお願いします (2019年10月14日 19時) (レス) id: 6034bec340 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - さにー☆彡さん» 更新があり、とりあえず台風は、無事に切り抜けたようですなによりです。ひどい被害が出ている為、心から喜ぶというわけには、いきませんが。 (2019年10月14日 19時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2019年5月11日 21時
