第三十一話 海の藻屑 ページ34
＊
「っっ、わ！？」
……第二層から第一層へ上る階段の途中で。
船全体が振動したのか、突如足下が揺れたことでバランスを崩した私は……あわてて手摺を掴んで体勢を持ち直し、事なきを得た。
それでもまだ船体はぐらぐらと揺れていて分厚い壁を挟んだ向こう……船内マップによればパーティー会場、つまりオークション会場からは、
悲鳴と怒号が僅かに漏れ聞こえてきている。
「何だろう、今の。爆発……？」
今はなんとかここまで、順調に進んでいる。罠などは悉く作動せず、私は怪我1つしていない。
だが矢張り気掛かりなのはティナちゃんだ。彼女は第三層に用事があるとか云ってたけど、大丈夫なのかな。
……とはいえ。どんな理由であれ、私にはその目的を邪魔する権利なんてない。兎に角彼女がそう望むなら、進むしかない。
「治と、中也は無事かな……」
それにもうひとつ。
……私、暗くなる前に帰れるんだろうか。
＊
『
＿＿＿＿【２H2+O2→２H2O】
少し時は遡り……そこは一面の銀世界だった。
目の前で一体何が起こったのか、証明出来る者はおらず、当然説明する者も居なかった。
ただ、純然たる事実はただ一つ＿＿＿＿、
……世界各国の裏社会の大物達が席巻するオークション会場をモニタリングする監視室。
そこは、床という床、壁という壁が全て……天井に至るまでが、氷漬けにされていた。
『君は私の子孫の名を使い、名のあるイタリアンマフィア達を異能兵器を売りつける顧客とするためにこのヨコハマに呼び出した。
材料は私の友人、中原中也と芥川龍之介。太宰治も標的にされた。
そして私の正体を知らない間抜けな末端構成員共が、脅迫状を寄越してよっしぃを巻き込んだ』
いくら最悪な子孫とはいえ、君が侮辱したのは私の子孫だ。そして君達が巻き込んだのは私の
到底許せる筈もない、と彼女は吐き捨てる。
『…………まあ。もう喋れないか』
無機質な、酷く冷たい目をして。
彼女は氷像と成り果てた、目の前の敵……異能犯罪組織の長を見やった。
『インチキの異能兵器なんて欲しがる有象無象とともに、海の藻屑になるといいよ』
酷薄な笑みと共に彼女が押した、スイッチの音ののち……刹那。
……隣の操舵室を抉るように巻き込んだ大爆発が、第三層で連続して起こった。
第三十二話 万事休す？→←第三十話 アルベルト・ル・ヴェーネレ
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やっさん(プロフ) - 設定ですが、太宰治さん、ティナちゃんの年齢に、触れたために、ティナちゃんにぶっ飛ばされて、行方不明ということで良いでしょうか？。余談、世界一周旅行(^_^;;かな苦笑汗汗。 (2021年10月18日 19時) (
レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - それにしても、彼女の、誕生日プレゼントで、10万ユーロ(1200万円)って(大汗)。ポートマフィアの、幹部の給料って、いったい!!。資金源は、あ、一億やそこら、痛くも痒くもないですか〜(汗) (2019年12月2日 20時) (レス) id: fd24bdc7a6 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 獄寺さんでしたか。失礼しました汗。余談ついでですが、太宰さんがインタビュー中に行方不明になったところは、ドッゴーン！！！キラッ！・・・滝汗ってところでしょうか？ろくでもない話ですみません笑。 (2019年5月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» いいえ！雲雀さんはあんな喋り方はしません笑獄寺さんです！ (2019年5月7日 18時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» 三十七話ですが、十代目が、沢田綱吉としますと、電話越しに、ティナちゃん？を怒鳴りつけていたのは、雲雀恭弥？さん？でしょうか？ (2019年5月7日 18時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.phpこ/hovel/AKOwww1
作成日時：2018年4月30日 9時
