37 ページ39
そして。
その瞬間から、さっきまでとは比べものにならない速度で、校舎が氷漬けになっていく。
ツナ先輩が大空の炎で溶かそうとしても、溶けない。
多分遥弥先輩と同じで、雨の炎により分子レベルで温度を下げて生んだ、純水の氷。
＿＿＿“真実”を混ぜた、“幻”。
「なんて力だ…【
氷を防げないと悟った巡くんが1歩引いて、骸おじ様から譲り受けた三叉の槍で、霧のバリアを張る。
肌を叩く冷気が、止んだ。
「やられた…！ く、僕としたことが…っ」
「多分、あの女の幹部が派手にヒバリさん達と戦ったのは、着実に梨奈を狙う為の布陣だったんだ。
でも、それは…」
「はい。遥弥くんによる補佐の幹部の敗北で、予定は狂わされたはずです。
【羨望】自体は梨奈ちゃんのマインドコントロールに専念する、という目的がね。
…悔しいが、認めざるを得ないでしょう」
巡くんが顔を歪める。
「彼は間違いなく、“神の目”と謳われた『あの人』の息子だ。
全世界でも、卓越した天才です」
「え…？」
ツナ先輩の目が見開かれる。
しかしその瞬間、大きく霧のバリアが揺らいだ。
「ッッ」
「手伝うぞ、巡っ」
侵入しかけた敵の霧の炎を、ハイパー化したツナ先輩の大空の炎が灼いた。
純度の高い大空の炎によって、霧のバリアが支えられる。
巡くんと一緒に立って、敵から私達を守ってくれる。
……そんなツナ先輩の後姿が、なんだか、お兄ちゃんと重なって。
(ごめんなさい…っ)
ごめんなさい、お兄ちゃん、お父さん。
私が、私が…普通の子として生まれていれば、
こんなことにはならなかったのに！
「っあ！」
漏らされた苦痛の声に、ハッと顔を上げる。
揺らいだバリアと共に、入り込んでくる冷気と霧の炎。
「梨奈ちゃんっ！」
そして、何故か。
私を狙ってるはずの霧の炎は、まっすぐ京子先輩に伸びていく。
「きゃ、」
だめ、なんで…なんで京子先輩を…お母さんを！
思考より先に、身体が動いていた。
「お母さんっっ！！」
「ダメだ梨奈ちゃん！」
そして、私は。
彼女の前に立ちはだかり、
…彼女の代わりに霧の炎に打たれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 218人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» そうなっています笑 リンクする作品を作るのが結構好きでして……これからもよろしくお願いします！ (2019年3月13日 18時) (
レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - さにー☆彡さん» ボンゴレの小説は、派手な戦闘になってしまうのですね汗笑笑。楽しみ♪ながら、続編を読んでいきます♪♪余談ですが、このシリーズ、ブラコンから、少女のタイムスリップ、大空の王シリーズと大長編になっているのですね汗笑笑。 (2019年3月13日 18時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - 空さん» ありがとうございます！！ (2017年7月20日 13時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
空 - 絵うまいね… (2017年7月20日 13時) (レス) id: e0161950e8 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - みーさん» はい！出ます！ (2017年5月8日 18時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sunny
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2017年3月25日 20時
