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『治兄？』
浮かべられた薄笑みから何かを読み取ったのか、Aが目を瞬かせる。
太宰はゆっくりと目を細めると、開いていた本をぱたりと閉じた。
「……最初から違和感はあったのだよ。
外界から遮断されたあの部屋で、鎖に繋がれ、錠を嵌められていたのにも関わらず……君の、
いや、“あなた”の足首にはそれらしき傷も……痕すらなかった」
少なくともそれは異能ではない、と太宰は目を伏せる。
彼女は撃たれたあの時、自分の力とは『ある一定以上の痛覚に伴う痛覚無効、及び高速治癒』だというように説明していた。
だとしたら、擦り傷でしかない痕が完全に治癒するはずが無いのだ。
「考えられるとしたら、あなたが本当は『全ての怪我を完全に治せる』という異能者だった場合か、
閉じ込められていたのは唯のカモフラージュだった場合」
太宰はAを見た。
だが、彼女は静かに彼を見返すばかりで、何も言うことは無い。
「それならばあなたはポートマフィアの敵なのか。私に自分を救わせ、組織の内情を探る間諜だったのか。
……いや、それもない。それなら私に対して箱の変化についてヒントを出す理由がないからです」
太宰が幻覚、という知識をリボーンから得ることが出来たのは、彼女の口添えによるもの。
よく考えてみたら、組織壊滅から一ヶ月以上経っているのに、わざわざかつて囚われていた組織の資料を確認する理由など彼女にはないはずなのだ。
「なら、何のためにあなたはわざと武器密造組織の中に入り込んだのか。
それを考えた時、一つまた違和感があった。
撃たれ、弾を見たその時、自分を撃ったのはアサルトライフルだと言い当てて、あなたはそれを肩幅くらいの大きさだと手で示した。
だけどそれはおかしいのですよ」
アサルトライフルは、八歳の肩幅くらいしかないほど小さいものではない。
少なくとも、“成人女性の肩幅”くらいはある。
……そう説明した太宰が視線を上げると、彼女は黙したまま静かに笑みを浮かべていた。
「それなら何故、あなたは示す銃の大きさを間違えたのか？ あなたほど聡明な人が、ただ単に間違えたわけがない。
だとしたら考えられる可能性は一つ。
＿＿＿＿あなたは“成人女性として”アサルトライフルを撃ったことがあるんだ」
違いますか、と太宰は今度こそ彼女を真っ直ぐに射抜いた。
「『万能の天才』フィオレンティーナ・ル・ヴェーネレさん」
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さにー☆彡(プロフ) - きなっちょさん» ありがとうございます！リボーンと文ストのクロスもっと増えてほしい…楽しんで頂けたなら幸いです！！ (2019年7月11日 19時) (
レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
きなっちょ(プロフ) - ものすごく面白かったです！文ストとREBORN!!のクロスオーバーってあんまりないからこれ見て感激した(^^) とにかく設定が凄い…( ；∀；) (2019年7月10日 13時) (レス) id: 9d0e711e2b (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» わざわざありがとうございます笑 実は元々リボーンの子でしたので、かなりややこしいです。年に触れると怖いです笑 (2019年3月3日 10時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - 全て、読みました。夢主の実態は、ややこしいですね。文ストだけに、ヤバい話ですが、陽気なヤバさで面白いです。それに、しても、夢主さん、かわいい姿をして、怒らせると、滅茶苦茶怖い！！滝汗。 (2019年3月3日 9時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - futureblue�鏡い気�» ありがとうございます！！ どちらも面白いですよね！ 続編書いたらぜひ、よろしくお願いします！！ (2018年4月27日 19時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2018年4月2日 11時
