23 ページ25
「そう。それなら問題ないよ、Aちゃん。……それから、気づいた事というのは？」
『この紙。……わたしのいたところの“ほうこくしょ“だよね？』
これを見て、とAが掲げた書類、は確かに武器密造組織がアジトにしていた武器庫についてのものだった。
彼女が指をさしているのは、例の大量の小さな空箱の写真。
リボーンが意味ありげな発言を残していったので気にはなっていたのだが、開け方も判らない上に中が空のようなので、放置していたものだ。
「これがどうかしたかい？」
『……減ってるの。しかも、すこしの箱は、もようがうすくなったりしてる』
これが保管一日目の写真、これが保管三日目の写真。
手渡された書類を比較してみれば、確かに数が減っているように思える。
「……おかしいね。カメラの不具合というわけでもなさそうだ」
『でしょ？』
誰かがあの空の箱を持ち出したというのも不自然だ。箱を管理しているのは他ならぬ太宰の部下であり、誰かが不用意に触れるとは考えられない。
更にそれだと、箱の模様が薄くなっているということにも理由がつかない。
『わたし、あの人たちが何を作ってたのかはくわさくはわからない。でも、兵器を作ってたのは知ってる。
あの箱は、兵器を入れるためのものなの。消えるなんて……ぜったい、あぶない』
「兵器を入れる為の……矢張りね。いずれにせよ、もう一度調べてみる事にしよう。
……よく気がついたね、Aちゃん」
よしよし、と頭を太宰に撫でられて嬉しそうに顔を綻ばせたAだったが、すぐに浮かなそうな表情に戻る。
そして暫く逡巡するように視線をあたりに彷徨わせていたが、やがて意を決したように顔を上げた。
『治兄。……ちょうさ、わたしもつれてって』
「え？」
太宰が思わず目を瞠ると、彼女は更に言い募る。
『遊びじゃないんだって、わかってる。でも、わたしは少しだけど、あそこにいたんだもん。何かやくに立てるかもしれない。
ううん、きっとやくに立ってみせる。じっさいに見て、なにかわかるかもしれない。おねがい……！』
確かに、彼女があそこの組織に短期間とはいえ所属していたのは事実だ。連れていくことでのメリットは、待機させるメリットより多いかもしれない。
「判った。一緒に行こう」
『ほんと！？』
「ちゃんと大人しくしているのだよ。
ほら、片付けをしたらおやつにしよう。私も手伝ってあげるから」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 251人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さにー☆彡(プロフ) - きなっちょさん» ありがとうございます！リボーンと文ストのクロスもっと増えてほしい…楽しんで頂けたなら幸いです！！ (2019年7月11日 19時) (
レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
きなっちょ(プロフ) - ものすごく面白かったです！文ストとREBORN!!のクロスオーバーってあんまりないからこれ見て感激した(^^) とにかく設定が凄い…( ；∀；) (2019年7月10日 13時) (レス) id: 9d0e711e2b (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - やっさんさん» わざわざありがとうございます笑 実は元々リボーンの子でしたので、かなりややこしいです。年に触れると怖いです笑 (2019年3月3日 10時) (レス) id: 632d3b069c (このIDを非表示/違反報告)
やっさん - 全て、読みました。夢主の実態は、ややこしいですね。文ストだけに、ヤバい話ですが、陽気なヤバさで面白いです。それに、しても、夢主さん、かわいい姿をして、怒らせると、滅茶苦茶怖い！！滝汗。 (2019年3月3日 9時) (携帯から) (レス) id: 6ef490f023 (このIDを非表示/違反報告)
さにー☆彡(プロフ) - futureblue�鏡い気�» ありがとうございます！！ どちらも面白いですよね！ 続編書いたらぜひ、よろしくお願いします！！ (2018年4月27日 19時) (レス) id: ec1d0032bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2018年4月2日 11時
