9 ページ11
「ハハン。そのことですか」
桔梗が妖しげに微笑み、顔を上げる。その表情に友香が目を丸くして、同時にきつくミツ君が眉を寄せるのがわかった。
そして待機室のモニタが切り替わる。映ったのは滞空している山本と、その場に倒れたデイジー……だったが。
「っ、ふぅー！ 僕チン、し、死ぬかと思ったよ」
「なっ、なんだと！？」
言葉とは裏腹にあっさりと起き上がり、腹を押さえるデイジーの胸には、黄色の光が灯っている。晴の炎だ、やはり消えてなかったか。
スピーカーから、ミツ君の声が漏れる。
「どういうことだ！ たしかにターゲットマーカーは消えていたはず……！？
貴様白蘭！ わかっていてこの部下を、不死身のこいつをターゲットにしたな！？ あのルーレットには不正があったんじゃないのか！」
「ハハン、馬鹿なことを。何を根拠にそんなことを言うのか。おかしな言いがかりですよ。これがあのグレート・ボンゴレだとは笑わせる」
「何……！？」
心底嘲るように言う桔梗にミツ君がギリッと歯を食いしばった。凍えるような怒気が彼を包む。今にも周囲を気にせず大規模な攻撃をしそうな空気だ。
止めるべきか、そう思って無意識に身構えたが、ミツ君は自分を抑制するためか、深呼吸をしてから桔梗を見て……それからチェルベッロを見た。
「ではチョイスの勝敗はどうなる？ 先輩は見ての通り怪我を治した、ボンゴレ側のターゲットマーカーも消えていない。
チョイスは続行か？」
「……」
その言葉を受けて、チェルベッロが考え込むように黙り込む。
裏社会の審判のプロフェッショナルがルールに悩む姿など珍しい。俺は思わず目を瞬かせた。
「む、無茶だ……これ以上は友香先輩が死んじゃうよ。怪我を匣アニマルで治せても、先輩自身の炎が尽きたら……！」
「ツナ……」
いや、そんなことにはさせない。彼女のことは俺が守ると、彼女と共に生きることを決めた時に俺はそう決めた。
もし友香に……京子がこれ以上怪我を負う可能性があるなら、俺は今すぐここを飛び出して彼女を助けなければならない。
そして、チェルベッロが口を開く。
「……いいえ。既に勝敗は決しました。」
「チョイスは、『先に』ターゲットマーカーが消えた方が負け。今はどちらも『ターゲットマーカーが一度消滅の判定を受けたが、復活した』状態です。
故に、相手のターゲットマーカーを先に消滅させた方が勝ちとなります」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さにー☆彡(プロフ) - みっきーさん» あわわわ……………ずっと死んでいて申し訳ない………もしかしたら復活するかもなので リボーンの時をお待ちくださると嬉しいです…… (11月12日 17時) (
レス) id: 9e23474db1 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - この作品が好きすぎてもう何周目か分かりません笑 作者様のペースで構いませんのでいつか更新お待ちしております*ˊᵕˋ* (11月10日 14時) (レス) id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - はじめまして。この作品1日で読んじゃいました。続編楽しみにしています！作者様のペースで頑張ってください！ (2023年1月18日 23時) (レス) @page50 id: 67498ba261 (このIDを非表示/違反報告)
ラウル - 続編があるのか？！この話すごきだから楽しみしている。頑張ってほしい (2022年10月17日 20時) (レス) @page50 id: 33b2563cc3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - さにー☆彡さん» もう、続編が、ないのかと、半分諦めていましたが、まだ続きが、あるのですね。まだ、時間が、必要かもしれませんが、楽しみに待っています(^^♪。 (2022年9月11日 23時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さにー☆彡
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2020年1月30日 8時
